乳牛と酪農を科学する

乳牛と酪農を科学する

乳牛の栄養や酪農システムについて大学教授がつぶやきます

ウシは反芻することで微生物の手助けをしている

みなさん、おばんでした。

札幌もようやく暑くなってきました。

 

さて、ステップファミリーの我が家、長男は今日からあちらの父親宅に面会です。

お互い休戦でのんびり気分転換です(^^;)

あ~、思春期の息子ってめんどくさい~

大好きな金曜日。

妻とワインちびちびやりながら「72時間」見て、リラックスしょうっと。

 

↓朝日に輝く目玉焼き

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反芻の役割その2

 

草は固い繊維の壁で囲まれています。そこら辺で伸びている草はツルツルしていて、茎の部分などはちぎろうとしても結構固いですよね。
ルーメン微生物は極めて小さな生物なので、この固い繊維の壁を突き破って植物体の内部に侵入することが苦手です。


植物体の内部に侵入することさえできれば、あとは強力な繊維分解酵素で植物を分解することができます。

 

そこで、ウシたち反芻動物は進化の過程で考えました。

 

草を吐き戻して何度も噛んでやれば、繊維の壁が細かく砕かれて、お腹の中の微生物が草を分解しやすくなるだろう。微生物たちが草を分解してくれると、固い繊維質から栄養を得ることができる。
おまけに、微生物自体も増えるので、あいつらをタンパク質源にすることもできる。
ヨッシャー

 

といったところでしょうか。

 

ちなみに、このヨッシャー、4歳の次男の口癖です。
「今日はお弁当にパイナップル入れといたよ」「ヨッシャー」
「今日はこれから公園に遊びに行こうね」「ヨッシャー」
といったような用法になります(^^)

 

話がそれました。


ウシは反芻をすることで、微生物たちがエサである植物体に付着して分解しやすいように手助けしてやるという、高度な機能を身に付けたのです。

 

さて、反芻にはウシの健康にとって重要なもう一つの役割があります。
続きはまた明日。。。