乳牛と酪農を科学する

乳牛と酪農を科学する

乳牛の栄養や酪農システムについて大学教授がつぶやきます

みなさんには失敗をさせるようにしてきました 中学の卒業式にて

今日は長男の中学の卒業式でした。
中学はさすがに淡々と終えてきました。

来週は、次男の幼稚園の卒園式。こちらについては、涙注意報が出ています(^^;)

 

さて、息子の担任は、とても教養あふれる素敵な先生でした。

今日は、息子の担任のエピソードをご紹介します。


週に一度配られる学級通信は、息子以上に私が心待ちにしていました。

自立を促す内容だったり、他者への心配りを意識しましょう、という内容だったり、先生の人柄がにじむ、教養あふれる文章でした。


学級通信は大人が読んでも示唆に富んでいて、親の子育て、学生への教育、農場技師との接し方、など多くの場面で参考になりました。

 

通信の中で最も印象的だった言葉は、

「目配り、気配り、心配り、みなさんはできていますか?」というものでした。

 

「心配り」の具体的なところは、自分で考えてください、ということです。
う~ん、深い

 

そんな憧れ(?)の先生に、お会いできるとあって、今日はワクワクしながらの登校でした。

 

最後の学活で、二つの言葉(場面)が、私の心を打ちました。


一つ目は、先生が語った「今年1年間は、みんなには、できるだけ失敗してもらうように心がけていました」という言葉です。

 

失敗し、それをリカバリーすることで、ヒトは成長します。
放任というのとは違いますが、ここまでの失敗なら、教員が手を貸さずにそのまま失敗してもらった方が、本人の成長に繋がるだろうと思って、あえて見守っていました。

という内容でした。

 

親は、我が家の場合は母親や祖母が、子供に対して「危ないからやめなさい」、「そんなところに置いておいたらこぼすよ」、「大事な提出物、準備してないしょ」、「テスト勉強、今日はこの分野をしなさい」などといって、先回りして子供の失敗の目を摘んでいきます。

 

ですが、失敗をしたことのない子供は、経験値を摘むことができないので、成長することができません。独り立ちしたときに、大きな失敗を経験しても、これまでトラブルシューティングしてきていないので、オロオロしてしまうでしょう。

成功しかしたことのないヒトは、失敗だらけの私からするとうらやましいですが、見方を変えると不幸なのかもしれません。

 

今日の先生の言葉は、子育ての、大きなヒントを教えてくれました。

 

もう一つ、胸を打った場面があります。

それは、生徒たちに失敗をさせるようにしてきました、という話の流れで、自分自身が何度も「やらかして」しまったし、失敗・ミスの連続だったという話題に移ったときでした。

 

先生も、完璧ではない、失敗もする、時には相手を傷つけてしまうこともあったでしょう。
自分で気付いたところよりも、ひょっとしたら自分では気がつかないことの方が多かったかもしれません。
不快な思いをした人も多かったでしょう。
そういったみなさんに、謝ります。
ごめんなさい。

 

と、真摯に頭を下げました。

重い感じではなく、和やかな雰囲気でしたが、私は先生の誠意ある姿勢に胸を打たれました。

 

生徒たちに加え、保護者も大勢いる中での、最後の学活の時間に、謝罪の言葉を述べられる先生。

素直に、タイミングを逸しないで、謝ること。

これは、生きていく上で、極めて重要なことだと、私は考えます。子供たちも、心にとめてもらえると嬉しいです。

 

最後に、「広い道に向かって歩き続けよう、その道の先に何が待ち構えているか、私にはわかりません」という内容の、先生の好きな詩を紹介してくださり、学活が終わりました。

 

良い先生に出会えて、ムスコは幸せだったなと、改めて実感しました。

 

話題は変わりますが、中学に足を踏み入れて、私の時代と別世界だなと感じたことを2点。

 

一つ目は、今の時代、「ヤンキー」(死語?)って絶滅したんですね(^^;)
私の時代は、パンチパーマや髪の毛の脱色、眉ぞり、変形ズボン、何でもありでした。今日も期待(?)して探しましたが、きちんとした真面目な生徒しか見つけることができませんでした。

 

二つ目は、卒業生の欠席が多い。
息子や妻に聞いたところ、欠席者のほとんどは病欠ではなく、長期不登校だそうです。
私の時代と比べて、一クラス当たりの生徒数はとても少ないのですが、それなのにほぼ全てのクラスに複数名の不登校者がいました。

本人も、家族も、苦しんでいることでしょう。。。

 

三十数年前と比べるのも時代錯誤ですが、今のティーンエイジ事情に、少々戸惑いを感じました。

 

元気に通って、卒業してくれて、おめでとう。

ムスコよ

↓庭のチューリップが芽吹きました