乳牛と酪農を科学する

乳牛と酪農を科学する

乳牛の栄養や酪農システムについて大学教授がつぶやきます

回り道したヒトの味わい:1年生獣医師との出会いから

先週末、道東の中標津町で若手獣医師たちに対して栄養学の講義をしてきました。 これまで、十勝の獣医師とは一緒に勉強したことがありますが、さらに東の根室地区は初めてです。 勉強会は1時間も予定時間を超過して、熱のこもった講義となりました。 今回の…

1人でも80歳まで牛飼いをできる牛舎

とても素敵な牧場を見学してきました。 別海町でご両親と後継者の3人で経営している酪農場です。 経営者のKさんは、私よりもだいぶ若い方で、独特なアイデアを実現しているとても魅力的な方でした。 育成牛や乾乳牛はご両親が管理していて、約100頭の搾乳牛…

猛烈インプットした先に現れたもの

私がブログを書くときは、テキストエディタを使います。ブログ用にテクストエディタを開くのがとても久しぶりのような気がします。 前回の更新が5/5なので、10日ぶりです。このブログを始めてから、最も長い空白期間ではないでしょうか。 私は5月の中旬まで…

長い休みと仕事

長い休みでした。 私の大学では、5月6日は授業実施日で、暦よりもひとあし早くGWが幕を閉じます。 大学の講義日程と祝日については難しい関係があります。 大学では同じ曜日が何度も祝日になることを、できるだけ避けたいです。それは、休みを重ねた曜日の講…

ヨーロッパにおける畜産物生産に対する動向

世界的な巨大飼料メーカーのセミナーがありました。 セミナーでは、いくつものトピックスがありましたが、家畜飼料への抗生物質の添加状況の国際比較と、ヨーロッパにおける畜産物に対する消費者の考え方についての話題が興味深かったです。 家畜飼料への抗…

うれしい論文受理報告

3年前、私の研究室にミャンマーからの留学生ミンさんが在籍していました。 彼は、母国では獣医の資格を有する大学教員で、本学留学中は免疫と乳生産についての研究に取り組みました。 当研究室に在籍していた時から精力的に研究成果について取りまとめ、帰国…

ウガンダ人から、ウガンダ酪農について学びました

今日、ウガンダから本学に来校していた酪農家、酪農獣医師のみなさんに対して講義をしました。 受講生が3人、通訳を交えて5人という少人数の学習会だったので、横道にそれながら和気あいあいと、活発に終えることができました。 ちなみにウガンダという国、…

SDGs:バイオガスプラントの原料と発電

先日の北海道新聞に「別海に牧草バイオ発電所」という記事が載りました(4月4日付)。 別海に牧草バイオ発電所 地元企業など建設 サイレージ原料:どうしん電子版(北海道新聞) これは、なかなか画期的なことだと感じました。 まずは、バイオガス発電という…

(卒業+入学)×3セット

今年の我が家は、長男の中学卒業+高校卒業、次男の幼稚園卒園+小学校入学と、子育ての節目が重なりました。 これで娘も重なれば、役満(?)でしたが、娘の卒業は来年でした(^^;) さて、大学教員である私は、職場の卒業式と入学式も、恒例の大きなイベントの…

BS世界のドキュメンタリー「爆弾処理兵 極限の記録」

最近はまっている「BS世界のドキュメンタリー」、昨夜もを観ました。 www.nhk.or.jp 私が、チャンネルを合わせたのが番組開始後少し立ってからでしたが、そこには壮絶な映像が流れていました。 イラクのモスルという街ではISとの戦争が激化しており、ISが街…

牛乳を加工、販売する企業 乳業メーカー

日本畜産学会が神奈川県の麻生大学で開催されました。 毎年3月に開催される学会で、研究のヒントや人脈作りなど、研究者にとっては学びの多いベントです。 今年は、乳業メーカーについて知る機会が二つありました。 一つは、我が家でも宅配をとっている、明…

卵を生産する養鶏場のシステム

道内某所の養鶏場を、農場HACCPの審査員として訪問してきました。 私は乳牛、酪農が専門のため、ニワトリについては学生時代の講義で習った以上の経験はありません。 一消費者と同じ程度の知識レベルです(^^;) 近代的な養鶏場では、卵を生産するためには、3…

あなたはロマンチスト?それともリアリスト?

高校生の頃から、毎週土曜日といえば、自宅の茶の間で、商売をやっていた実家の店内で、ドライブの車中で、STVラジオ番組「日高晤郞ショー」が流れてきました。 晤郞さんが亡くなって、1年が過ぎました。 彼の冠をまとった、後番組が1年間続いてきましたが、…

6歳児が一番メンコイのかな

今日、次男は、3年間通った幼稚園を卒園します。 アカチャン時代、年少の幼児時代と比べると、年長さんは幼児から児童への入り口にさしかかったように感じます。 まだ、よたよた歩きだった息子を連れて人と会うと、決まってこう言われました。「今が一番メン…

みなさんには失敗をさせるようにしてきました 中学の卒業式にて

今日は長男の中学の卒業式でした。中学はさすがに淡々と終えてきました。 来週は、次男の幼稚園の卒園式。こちらについては、涙注意報が出ています(^^;) さて、息子の担任は、とても教養あふれる素敵な先生でした。 今日は、息子の担任のエピソードをご紹介…

乳酸発酵をコントロールして、良質サイレージや発酵TMRを作ります

今日は、兵庫県から、獣医師と飼料メーカーの4名の来客があり、サイレージ発酵や発酵TMR調製のポイントについて、学習会を行いました。 北海道では、畑でとれる牧草やトウモロコシを貯蔵するために、サイレージを作ります。 サイレージとは、飼料を乳酸発酵…

歴史の重さ、怪人物の魔力、「BS世界のドキュメンタリー」がおもしろい

私は、歴史や人間の生々しさに興味があります。 そういった意味で、私の嗜好を満足させてくれる番組に、モグラとブタの対談番組「ねほりんぱほりん」があります。 最近では、ホストクラブの「担当」に毎回100万円単位で貢ぐ女たちの放送は、妻と二人でグッタ…

生産者、消費者、それぞれの立場からみた乳価

乳価の上昇が止まりません。 我が家では、小柄なムスコのために、妻がカルシウム強化の宅配牛乳をとっています。 先日、宅配牛乳の牛乳と一緒に値上げの案内が同封されていました。 案内文によると、1本当たり4円の値上げということです。1本180mlで、4円の…

受験を終えて、勉強のできるヒトとできないヒトの違いを考えた

北海道では、昨日、公立高校の入試がありました。我が家の中3の息子も、ひたすら受験勉強に取り組んでいました。 私も、彼の勉強にびっしり付き合ったおかげで、高校入試問題の傾向がすっかり頭に入りました。 数多くの過去問や問題集を説いた結論は、難関私…

MUN(乳中尿素態窒素)と、乳牛の健康

ある酪農生産者から質問が届きました。 「牛乳中のMUN濃度が低すぎると、牛は身体(筋肉)を削って乳タンパク生産をするので、免疫力が低下するのではないか?」 といったご質問でした。 第一胃(ルーメン)内で、エサに含まれるタンパク質が、ルーメン微生…

搾乳ロボットセミナー:北米の最新情報

搾乳ロボットという機械が日の出の勢いで普及しています。これは日本に限らず、全世界的傾向です。 搾乳ロボット - Google 検索 通常、搾乳作業は人の手で行います。手搾りではありませんが、ミルカーとよばれる搾乳機器を牛の乳頭に装着する作業は人が行い…

理論と現場感覚のズレ

先日、酪農セミナーに参加してきました。 この時期は、農閑期でもあり、実習もないので、本学の農場技師とともに参加する機会が多くあります。 その時も牛舎の技師と一緒でした。 技師と参加したことで、興味深い経験をしました。 その日は、新進気鋭の外国…

ルーメン液の発酵酸は、ガスクロマトグラフで分析します

中学くらいの理科で習う実験方法に、クロマトグラフがあります。 色の付いた何種類かの液体を溶かした溶液を用意します。そこに細長い短冊状の紙(ろ紙)を浸してやると、紙の上の方に色水が上がってきます。 色水の種類によって、紙のどこまで上昇するかが…

受験勉強と卒論、ときに諦める勇気が大切

いよいよ、明日から高校入試の本番です。 私立高校の受験から、3月の公立高校の受験まで、我が家は最もピリピリした日々のスタートです。かたや大学生も卒論の締切も来週に迫ってきました。 入試も卒論も期日が決まっている(締切がある)という意味で、忘れ…

インフルエンザ泣き笑い

幼稚園に通う次男がインフルエンザにかかりました。 昨年は私がかかりましたが、今年は今のところ息子と娘のふたりです。 インフルエンザの予防接種を受けていることと、薬が格段に進歩していることで、息子の熱は発熱の翌日には36度台に下がりました。特に…

日本の近隣諸国に超巨大酪農場が乱立

2019年2月6日付の酪農スピードニュースが「ベトナム最大のギガファームは生産量20万㌧」と報じました。 この牧場では、4万頭の乳牛が飼われ、1日500トン(年間18万トン)の牛乳を生産するそうです。20万トンの牛乳出荷が当面の目標だそうです。 何から何ま…

主語がない文章、グラフや表の読み方

卒論執筆も佳境に突入しました。 我が家の受験生もいよいよ大詰めです。 卒論や学生のレポート、受験生の息子との会話などを通して、作文力・読解力について感じることがあります。 作文力については、大きく二つのことを感じます。 一つ目に、学生、生徒は…

大阪でホルモンを食べて、消化管の旨みについて考えた

今週末は、出張で大阪に来ています。 土日に仕事は、休息がとれずしんどいので、月~金勤務のビジネスパーソンにとって、できれば避けたいパターンです。 今回はこの土日に開催される、ある学習会への参加のため、やむを得えずの出張でした。 それはそうと、…

牛に米を食わせる話し

ここ10年くらい、農水省が力を入れている技術・普及に、飼料米があります。 国民の米の消費量が減り、収入源が減少する水田農家に対し、エサとして米を作り、所得保障をするというシステムです。 この技術は補助金の投入によってなりっていますが、その話し…

翌朝に持ち越す疲労、生理学的に解説すると

最近疲れがとれません。 テレビでは、朝、目が覚めても疲れがとれていない人はこのサプリ、といったようなCMが放映されています。 栄養ドリンクや、錠剤など様々なものが売られています。 ですが、疲れを翌日に持ち越さない最も有効な対策は、生活リズムだと…