乳牛と酪農を科学する

乳牛と酪農を科学する

乳牛の栄養や酪農システムについて大学教授がつぶやきます

本物のラム肉

おばんです。

 

今日は我が家に留学生のMさんと卒論で頑張っているゼミ生を招待して、焼き肉&お好み焼きパーティーでした。とても楽しく盛り上がりました。

子どもたちも大喜びで、特に4歳の次男はみんなにかわいがられてご満悦でした。

 

焼き肉で食べたのが、近所のスーパーで買ってきた牛肉と豚肉、そしてとっておきのラム肉も出しました。

 

ラム肉

このラム肉は、私が顧問をしている中小家畜研究会という学生サークルが育てた子羊を出荷して、肉として学内販売したときのものです。

 

私、道産子なので子どもの頃からジンギスカンに親しんでおり、とても大好きです。一方で、ジンギスカン以外の羊料理は匂いがきつく好きではありませんでした。ジンギスカンはたれに漬け込んで、野菜と一緒に焼いて食べるので、めん羊臭さが気になりません。

 

メニューにラムと記載されていても、めん羊独特の匂いが気になっていました。

 

ところが、つい最近大学の先輩が育てたラム肉をいただき、認識ががらっと変わりました。写真はその時のラム肉です。自家産のローズマーリーをチラしてレアで焼いてもらい、ワインはメルロー主体のミディアムと合わせました。子どもたちもうまいうまいと食べていました。私以上にめん羊が苦手な妻も食べることができたほどです。

 

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ラム肉の定義ですが、生後1歳未満の子羊をラムと称します。めん羊は雪解けが近づいてきた時期に分娩が始まります。その子羊を肥育して(肉用に育てることを肥育といいます)、秋から冬にかけて出荷します。

 

これが本物のラムで、私が今まで食べてきた”自称”ラム肉とは全く異なる風味、味覚だったのでびっくり仰天したわけです。

 

今日食べた学生が育てためん羊も全く同じスタイルで肥育したもので、やはりクセがなく、味わい深く、とてもおいしくいただけました。

 

本物のラム肉、特に道産ラム肉は希少で、高級レストランやホテル、あるいはこだわりの専門店でしか食べられないと聞いていましたが、その理由が分かりました。

 

ただし、ラム肉生産のジレンマがあります。

それは、子羊は体重が軽いということです。大きくなるまで育てると1頭から取れる肉の量が多くなり、生産量としては増えますが、肉の単価が下がります。大きく育てるとめん羊臭がしてきて商品価値が下がるのです。この辺は牛肉生産とは異なる点です。

 

私も最近、妻や娘からクサいクサいと言われることが増えてきました(^^;)

ヒトも羊も年をとるとクサくなるのですね。。。