おばんです。
まさかのアクセス0だった数日前、酔った勢いで男と女、夫婦の話について、個人情報も交えながら書きました。いつも拝見しているブログの方にコメント書いたりしているうちに気持ちが盛り上がってしまって、「どーせ読む人もいないからいいべ~」みたいなノリで。。。
・・・したら、なんとまあ多くの方にご訪問いただきまして(^^;)
妻に話したら、「そういったネタはみんな興味あるんだよー」といって笑われました。
ま、なるようになる、ですね。
今日は乾物と水分の話をします。
乾物と水分のイメージ
昨日、エサの成分の見所についてお話ししました。
そこでは、タンパク質とエネルギーについて触れました。
もう一つ重要な項目として、乾物含量も取り上げました。
乾物のイメージ、なじみのない概念かもしれません。
あるモノから水分を差し引いたモノが乾物です。実験室では、エサを135℃で2時間乾燥させることで乾物含量を求めます。※含量は%で置き換えても良いです。
たとえば、生の重さが100gの牧草サイレージがあって、乾燥機にかけた後の重量が80gだったとします。この場合、20gが水分、80gが乾物です。乾物含量は80%になります。
この乾物含量が、エサ設計をする側からすると、エサの出来上がりのイメージにとても重要になります。
ここに、20頭の牛と牧草があります。
エサ設計担当者は、牧草を1頭1日当たり10kgあげてください、というメニューを組みます。メニューを考えた人間は、ウシたちが計算通り食べてくれれば、おそらく1頭1kgくらいは食べられずに残すだろうと見積もっています。それくらいの余裕を見ておくことで、ウシは飼槽に行けばいつでもエサにありつけます。
そんなわけで、給飼担当者は20頭いる牛舎に10kg×20頭=200kgの牧草を与えました。
ところが、翌朝牛舎に行ってみると、飼槽がきれいさっぱり空っぽになっていました。実は、昨晩の早い時間帯から、牧草は少なくなっていたようです。
これは、頻出の「ウシのエサあるある」です。牧草の乾物含量が見積もりと大きく異なることはよくあることです。
エサ設計担当者は、牧草中の水分を30%、乾物が70%と見積もりました。1頭が食べる乾物量は5~6kg/日ということが経験上わかっています。ということは、この牧草を生で10kg与えれば、乾物では7kg/日の給与量になるので(10kg×0.7)、余裕を見ても十分に足りる計算になります。
しかし、実際は水分60%で乾物が40%しかありませんでした。
乾物70%→乾物の給与量は200kg×0.7=140kg
乾物40%→200kg×0.4=80kg
となります。
水分を除いた正味の乾物量は140kg-80kgで60kgも少なくなってしまいました。
乾物給与量80kgを20頭で割ると、1頭あたりの牧草給与量は4kg/日にしかなりません。これでは、ウシたちは牧草を食い尽くしてしまいます。
翌朝は腹を空かせたウシたちがモーモーなく声で出迎えられることになります。
このように、エサの乾物含量はとても重要な要因の一つになります。
↑腹を空かせて待つウシたち
乾物含量の考え方はジンギスカンを買うときにも役立つ??
次のような味付けジンギスカン(袋の中にタレに漬け込んだ肉が入っているもの)を買うとき、どちらを買いますか?
「250g×3パック+1パック増量中につき4パックで1000円」
「300g×2パックが800円」
上は250×4=1000gで1000円、下は600gで800円です。ぱっと見、迷いますが上のパックの方がお得そうです。ですが、裏を良く見ると1パック当たりの固形分(肉)が書かれていて、上は120g/袋、下は240g/袋でした。
1袋当たりの内訳は、上では肉120g/袋、タレ130g/袋となり、下は肉240g/袋、タレ60g/袋になります。
そうすると、
上→120g×4袋=480gのお肉
下→240g×2袋=480gのお肉
と、実は同じ量の肉ということがわかりました。
肉の重さからいくと下を買った方がお得ということになります。
これって、乾物と水分の話しと同じですよね。
私は商売柄、何でも乾物で見るクセがついています。みなさんも、そういった視点で買い物してみるとおもしろいかもしれませんよ。
え、メンドクサクテやってられないって?
たしかにそうですね。
私は栄養オタクですからね~(^^ )