乳牛と酪農を科学する

乳牛と酪農を科学する

乳牛の栄養や酪農システムについて大学教授がつぶやきます

地球規模の食について考える:アメリカの隠れた飢餓_下(ナショナルジオグラフィック)

おはようございます。珍しく朝からの更新です。今日はこれから帯広に向かい、若手獣医師対象のの栄養学セミナー第2弾です。

今は移動の待ち時間中です。

 

京急のアクシデントに巻き込まれる

 昨夜の東京からの帰路、大変な目に遭いました。

セミナー修了後、京急に乗って羽田空港に向かっていましたが、架線トラブルが原因とかで品川で足止めを食ってしまったのです。待てど暮らせど動かない超満員の列車。


十数分経過して、羽田へ急ぐ人はJRに乗り換えてくださいとのアナウンスが。意を決して私も列車を飛び降ります。山手線→モノレールで何とか羽田空港に滑り込むことができました。

 

セミナー終了時刻が延びた時を想定して、かなり遅い時刻の便を取ってあり、かつ空港で仕事をしようと思い早めの移動だったこともあり、何とか間に合いました。これ、20時頃の便だったら、乗り遅れてもう1泊しなくてはいけなくなるところでした~(T_T)

 

翌日(今日これからですが)に、学習会の講師をする予定だったので、マジで焦りました。

私の住む札幌でも列車は遅れますが、それはほぼ冬期間の雪害時に限定されます。「これだけの吹雪なら汽車も遅れるべなあ」と予測が付くので、道民にとっては想定内のストレスです。

 

天候とは別の想定外の交通トラブルはこんなに強いストレスをもたらすのですね。北海道と違い過密ダイヤだからなのか、影響を受ける人数も桁違いでしょう。

いやあ大都会に出てくるたびに様々なストレスを感じる「田舎のネズミ」状態です。

ナショジオシリーズ、今回でひとまずまとめです。

 

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野菜は高くて買えません

 昨日までお伝えしてきた記事には強烈な皮肉が描かれている。


取材をおこなった貧しい食生活を余儀なくされている世帯の住むアイオワ州はトウモロコシと大豆の生産量が全米の6分の1を占めています。このような畑作地帯で栄養失調の住民がいることがアメリカの国策を象徴している。

 

トウモロコシや大豆は様々な食品、食材に加工されるので、商品作物(換金作物ともいう)として位置づけられている。もちろん有力な輸出農産物でもある。そのため、これらの商品作物はアメリカ政府から手厚く保護され、莫大な補助金が支給されている。一方、健康のために野菜や果物を食べることを政府は奨励しているが、それら青果物への補助金は極めて少額に過ぎない。

このことはそれらの小売価格にも影響しており、青果物の価格は上昇を続けている。こうして野菜は低所得層には手の出ない食材になってしまった。

 

このような国民が暮らすアメリカから、日本は大量の穀物や畜産物を輸入している。トウモロコシや大豆などはアメリカの1,2を争うお得意様である。アメリカは農産物を日本に売ってお金を稼ぎ、そのことで日本国民の胃袋は満たされる、一方で飢える国民がアメリカには大量に存在する、この現実に複雑な思いを抱くのは私だけだろうか。

 

私も、今回の東京出張ではアイオワの住民と似たような経験をした。

自炊ができないので宿での朝食以外は全て外食であった。セミナー会場の六本木ヒルズは高価なカフェレストランは無数にあるが、安くあげようとすると格安チェーン店で米や麺類といったデンプン質中心の食事にならざるを得なかった。もちろんそのような食事に野菜はほとんど付いていない。

 

そんな中、この記事を書いていたので、ヒルズに入っている野菜ランチ(?)のテイクアウトをしてみた。男女問わず行列のできる人気店です。

クリスプ サラダ ワークス 六本木ヒルズ


洗面器くらいの大きさのボウルに山盛りになった野菜をざく切りにし、ドレッシングをかけてくれるスタイル。メニューを見たところ、肉やご飯がなくて大丈夫かと不安になったが、大量の野菜に男の私でも満腹感を得ることができた。


ただ、高い。。。
スタンダードなセットで税込みで千円超え。昼食に野菜だけで1000円とは、北海道価格で見ると贅沢な金額である。
この店に行列して昼食をとる若くてこざっぱりした男女。

 

日本もアメリカと同じなのかな。

アメリカ国民は当時の政府と大統領にノーを突きつけた。翻って、日本ではどうなるだろうか??
安倍政権、多少の波風もものともせず不沈艦の様相を呈しているが。。。

 

食と生活費、賃金、考えれば考えるほど深い問題と感じます。