乳牛と酪農を科学する

乳牛と酪農を科学する

乳牛の栄養や酪農システムについて大学教授がつぶやきます

二人のトップシェフから学ぶ、「謙虚さ、情熱、正直さ」の大切さ

 

みなさん、おばんでした。 

 

先日のワインと和食ディナーで訪れた「マルヤマ壇」の料理(↓)も最高でしたが、料理つながりでもう一本行きたいと思います。

f:id:dairycow2017:20170523214500j:plain

 

数日前、二人の一流料理人が、その独特な感性を活かして「友情の一皿」を作り上げるという番組を観ました。

www.nhk.or.jp

 

登場人物は二人です。成澤さんという和食料理人、アンドニさんはスペインの一流レストラン「エル・ブリ」で経験を積んだ料理人。二人とも、料理人という狭い枠組みでは表現できない感性や感覚の持ち主でした。

※料理好きな妻は「エル・ブリ」のことを知っていました。毎度のことですが呆れるやら、尊敬するやら(^^;)


私が彼らに感じたのは、一流の料理人は優れた研究者であり、優れた文学者であり、優れた芸術家であるということでした。

 

成澤さんは、毎日24時間料理のことを考え続けていると語っていました。どうすれば新しい表現ができるかと考えているそうです。まるで、実験室にこもってデータと格闘する研究者のようです。

二人の紡ぎ出す料理や環境、地域、社会に対する言葉、表現力は、一流の文学者が書き記す美しい文章のようでした。

二人の「友情の一皿」には、独特の雰囲気が表現されていて、そこには日本の田舎の自然豊かな「里山」が造り上げられていました。まさに芸術です。

 

「世界のトップ50人」に選ばれるような突き抜けたプロフェッショナルは、その一芸だけではなく、幅広い素養を兼ね備えていることを実感しました。これは何も料理人に限った話しではないでしょう。

 

日本を訪れたアンドニさんは、珍しい日本料理の数々に対して、質問を浴びせます。料理の作り手はそれに対して答えていくのですが、その様子に成澤さんはこのように感想を述べます。


「質問できるということは、謙虚さ、情熱、正直さの表れだよ」

 

トップに上り詰めたアンドニさんでさえも、知らないことを正直にさらけ出して、謙虚に質問できる。それは料理をもっと知りたいという向上心、情熱があるからです。

そのことを成澤さんは、端的に表現しました。

 

私も、セミナーや新しい出会いの場では、メモ帳片手に質問するようにしています。
しかし、日本では、質問できるヒトは非常に限られています。

 

例えば、私が講師を務めた最近のセミナーでこんなことがありました。
セミナーの最後に、質問のある方は?と問いかけますが、全く手が上がりません。そこで、司会者が若手の参加者に向かって「何か分からないことがあれば聞いてごらん」と促しました。すると、セミナー内容の根本に関する初歩的な質問が出されました。それは基本的な事柄で、そのことを知らないと、その日の3時間のセミナーの理解度が大きく低下してしまう重要な内容でした。

 

全てを知り尽くしたであろうトップシェフが知識のなさを恥ずかしげもなくさらけ出して、質問をできる。

とてもカッコいいことだと思います。

栗山監督のいう、「カッコよく生きよう」に通じます。

 

dairycow2017.hatenablog.com

 

私も「謙虚さ、情熱、正直さ」をモットーに、日々成長していきます。

 

番組を観ていて、ブログのネタになるなと思い、途中からメモを取りながら鑑賞しました。
メモを取りながらテレビを観るなんて、これまでしたことがありません。
ブログという目的を持つことも、猛烈な自己成長に繋がっています。

成長を実感できる毎日、本当に楽しいですね!