乳牛と酪農を科学する

乳牛と酪農を科学する

乳牛の栄養や酪農システムについて大学教授がつぶやきます

セミナー講師で自己成長を実感

帯広で講師を務めてきました。

 

聴講なさった方たちは現場で活躍する名のある方が大勢来ていました。主催団体が十勝農協連というメジャーな農業団体だったので、その知名度が大勢の方に関心を持っていただけたのでしょう。

 

私も集中力フルスロットルでセミナーを務めてきました。

60分の講義とその後のエサの品評会を合わせて2時間半ほどでしょうか。
精も根も尽き果てるとはこのことでしょうか(^^;)
前回試した、実習風の企画も盛り込みながらあっという間の60分でした。

質問タイムでは、さすが現場でバリバリのみなさん、何人もが声をかけてくださりました。

中には、手厳しい意見もあり、私の方がたじたじになる場面もありました。しかし、逆にそのような意見をいちょうだいできて、成長できました。

春のアスパラのように短期間でグイッっと伸びたイメージです。

 

取りようによってはお叱りっぽい内容もあったのですが、それは真剣に考えながら聴講してくれていた証拠です。

私もセミナーを受講していて、この人の言っていることはおかしい、と思うことがあります。ですが、そういったマイナスの感想はたいてい思いっぱなしで、あえて相手に伝えることはしません。波風立てる必要はないですからね。

それを、今回は聴講なさった先輩たちは、オブラートに包まず疑問を呈してくれました。これは貴重でありがたいことです。

 

指摘されたことを知らなければ、次回以降も同じ内容を「自信満々で」話していたことでしょう。そのことを思うと顔が赤らむ思いです。

現場のベテランが日々取り組んでいる経験と、学者が実験条件下で得た結果、そこには溝があることを改めて気付かされました。たしかに研究によるエビデンスも重要であることに変わりありませんので、それをどのように現場のレベルに落とし込むかより慎重かつ丁寧さが必要だということを教えてもらえました。

 

ややもすると大学の先生は独りよがりになりがちです。
今回のセミナーでもっとも多くの気づきを得て、成長できたのは、演者である私だったかもしれません。大学内にいては知ることのできない酪農生産現場の悩みや工夫に触れることができた極めて濃い時間でした。

 

このように講師を務めることで猛烈に成長できます。なかなか講師を務める機会はないかもしれませんが、職場や学校で自分たちで勉強会を企画するといったやり方もできるかもしれませんね。小さな参集範囲であっても講師をすることで大きな経験を得られることでしょう。

それにしても頭パンクしそうです。。。

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