乳牛と酪農を科学する

乳牛と酪農を科学する

乳牛の栄養や酪農システムについて大学教授がつぶやきます

私に個性はありません:出ない杭になって身を守る中学生

先週だったでしょうか、奇跡のレッスンという番組がNHK教育で放映されました。
アメリカの一流ダンスコーチが、中学校のチアダンス部の女子生徒を指導するというものです。

 

この番組は、世界中の様々な分野の一流コーチが1週間の指導で子どもたちの可能性を引き出すという企画内容です。

先日の番組では、1週間かけて新しいチアダンスを踊れるようするというのがミッションでした。

www.nhk.or.jp

 

アメリカ人のドーン先生が部員に質問した場面が衝撃的でした。

ドーンさんは、こう尋ねました。

「自分が、人と違うところを教えてください」

 

すると、ほとんど同じ髪型をした彼女たちは次々にこう答えます。
人と違うところは、特にありません

 

番組の編集もあるかもしれませんが、彼女たちは1人の例外もなくこのように答えたのです。

私には、彼女たちが個性を表現しないことで、周囲から浮かないようにして、集団生活の安全を確保しているように思えました。


ドーンさんも、「アメリカ人は黙っていても勝手にドンドンしゃべる」と、国民性の違いに驚いていました。

 

私は若い頃から変人でした。(今でもそうかもしれませんが(^^;))
いつも人と違うことをしようと考えて行動していました。

自分が良いと思ったことなら、人がやらないようなことでも平気で実行しました。

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2週間前に娘とディズニーランドに行ったときに驚いたことがあります。

ペアルックの女性たちが、やたらめったらと多かったのです(2人だけでなく、3~4人のグループもありました)。彼女たちは、化粧や髪型(髪の色も!)、アクセサリーなど全て同じです。

流行と言ってしまえばそれまでですが、堂々と闊歩してるクローンのような女性たちに不思議な印象を持ちました。
オジサンにはその時は理解できなかったのですが、テレビの中学生たちを見てペアルックが流行る背景や、それをする人たちの心境が分かったような気がしました。


今の若い女の子たちは、周囲の同調圧に反発しないのでしょう。
「出る杭」には絶対にならないように、細心の注意を払って生きているのかもしれません。

 

小4の娘は黄色のランドセルはクラスで自分だけ、と胸を張って教えてくれます。

このように個性を楽しむ生き方は、日本の若い女性の間では容易なことではないのかもしれません。

 

番組では、女子生徒たちは徐々に心を開いて、先生に自分の気持ちや個性をアピールできるようになっていきました。私は、そこに希望を見いだすことができ、安心しました。

 

指導者に恵まれると、わずか1週間でも、人は変われる。
いろいろな人との出会い。
若い人にとって、これはとても大切なことです。

 

我が家の子どもやゼミの学生にも、そういった場を提供していこうと、番組を観て改めて考えました。