乳牛と酪農を科学する

乳牛と酪農を科学する

乳牛の栄養や酪農システムについて大学教授がつぶやきます

夏休みは牛飼いにとっても重要:乳牛の夏バテと学乳の話し

おばんです。

今日は比較的過ごしやすい夜です。

昨夜は大学時代の友人とプチ同窓会でした。長い期間では20年ぶりという人もいてとても盛り上がりました。私は奥さんラブネタでどん引きされていたかもしれませんが(^^;)

 

↓息子と近所のお友達、今日の一コマ

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学校給食用の牛乳と猛暑の関係

 

今年は北海道も暑いですが、本州も猛暑のようです。
こうも暑いと北国が原産の乳牛は夏バテしてしまい、乳量が激減します。

 

7月に入って、日本全体で猛暑の影響で乳量が減少しています。
北海道でも記録的猛暑なので、普段なら夏でも涼しく暑熱の影響を受けない道東方面(釧路や中標津など)でも例年に比べて乳量が減っているそうです。

 

そんなおり、7月20日付の酪農スピードニュースでこんな記事が載っていました。

「猛暑型減産」で乳業が牛乳の出荷制限開始(平成29年7月20日)
記事には、全国的な牛乳減産で乳業メーカーが量販小売店への出荷制限や特売自粛に乗り出していると書かれていました。

 

7月中旬以降は、学校が夏休みに入る時期と重なります。
夏休み中は学校給食向けの牛乳(学乳)が休止します。このため、乳牛の夏バテによる乳量減と学乳休止が相まって、例年は夏場であっても需給は一息つくそうです。しかし、今年は異常な暑さで学乳休止による効果も焼け石に水の状態で、今後の暑さ次第では「出荷制限の継続や強化もありうる」(同紙)とのことです。

 

私もこの業界に入るまでは学校給食向けの牛乳が、業界にとって大きな影響力を持っていることは知りませんでした。
これからが夏本番。

その暑さいかんでは、業界内での牛乳の奪い合いになるかもしれません。

 

乳牛の栄養管理を担当する身としては、夏バテにならないような飼料設計を検討しないといけないです。とはいっても、私は北海道の酪農しか経験がありませんので、栄養学的な切り口での暑熱対策は、正直そんなに経験がありません。そういった意味では、私もこの夏には緊張感を抱いています。

寒くても困りますが、暑すぎも参ったものです。。。