乳牛と酪農を科学する

乳牛と酪農を科学する

乳牛の栄養や酪農システムについて大学教授がつぶやきます

多汗症と交感神経:自律神経のお話

おばんでした。

今日は前期の授業最終日。私の担当の農場実習も最終回です。

いっときの猛暑も一段落、さわやかな北海道の夏空で実習を終えられました。

 

↓実習の後半、レポートをまとめる学生たち

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身体を操る自律神経とは?

 

自律神経という言葉、耳にする機会はありませんか。
よくご存知の方もいらっしゃるでしょうが、今日は自律神経にまつわる話しです。

 

数日前、出勤中の車内でラジオを聴きました。

通常はNHKラジオ英会話のストリーミング配信を聴くのですが、朝8時の出勤にぶつかるときは「日本全国8時です」を聴きます。


私は月曜日の医学ジャーナリスト松井宏夫さんと木曜日の東大名誉教授月尾嘉男さんの回が特に好きです。

ブログで取り上げようとネットを見ると、番組ホームページがあるのですね。
HPでは、過去の番組のレジュメや音声ファイルが登録されていますので、興味のある方はご覧ください。

日本全国8時です|TBSラジオAM954+FM90.5~聞けば、見えてくる~

 

前回の松井さんの話は多汗症と自律神経の話しでした。
自律神経には二つの神経があります。


交感神経と副交感神経です。
緊張したりストレスがかかった状態で働くのが交感神経です。私は受験生時代、「驚き働く交感神経」と覚えました。
一方、リラックスしているときに優位になるのが副交感神経です。

 

知り合った当初の妻が、体調が悪くなると「自律神経」の乱れが原因だ、としばしば言っていました。その頃は、そのことがよく理解できませんでしたが、最近は私もよく分かるようになってきました。中年以降、自律神経の乱れが症状として感じられるようになってきたからです。

 

前の結婚時代のゴタゴタしていた時期や昨年までの農場責任者時代などは、大小様々な精神的ストレスにさらされる毎日でした。そのうち、少しでも緊張する場面になるとワキの汗が尋常でないほど出るようになってしまいました。
汗に悩まされて、昨年はワキ汗パッドが手放せないほどでした。

 

しかし、今年はめっきりそのお世話になることが減りました。

ストレスがかかる→交感神経が働く→ワキ汗が大量に出る

 

といった、前の結婚や昨年まではこういったメカニズムだったのが、今年はストレスがなくなったせいで、

リラックスした毎日を送れている→副交感神経が優位→ワキ汗も出ない

といった状態に落ち着いたようです。

 

先日のラジオでは、この多汗症と交感神経について解説されていました。

多汗症はワキだけでなく、手のひらや、足の裏などにも発症するようです。
手のひらの場合、常時じっとり汗ばんでいる状態の軽症から、ギュッと手を握ると汗の滴がポタポタ落ちる重度の症状まで幅広いようです。

 

重度の多汗症になると生活に支障をきたすレベルと知り驚きました。

あまりの重度に悩まされると、交感神経を切除するという外科的処置が執られるケースもあるとのことでした。交感神経を切ると、汗は出なくなります。

しかし、発汗作用がなくなると、汗の蒸発によって体温を下げることもできなくなってしまいます。そのため身体が常時ほてってしまい、暑さに弱い体質になってしまいます。あるいは、これまでとは別の場所から大量の汗が出るようになるといった副作用も見られるそうです。

このようなデメリットと、多汗症が治まるメリットをしっかり理解した上でないと手術に踏み切ってはいけないでしょう。

 

ストレスを感じているときの交感神経、リラックスしたときの副交感神経、身体のメカニズムは良くできています。乳牛も交感神経が興奮しすぎると、乳の出が悪くなります。

妻とワインで晩酌しながらのおしゃべり、これが私にとって最高の副交感神経活性法です。仕事中は交感神経でバリバリ、オフは副交感神経でリラックス、これが理想的なライフスタイルです。