乳牛と酪農を科学する

乳牛と酪農を科学する

乳牛の栄養や酪農システムについて大学教授がつぶやきます

逃げてはいけないこと、逃げても良いこと

最近、こんなことを考える機会がありました。


「逃げたらダメ、がんばれ」という叱咤激励が発せられる場面があります。
一方で、「逃げるが勝ち」というように、逃げても良い、あるいは逃げないといけない場面もあります。

 

これらの違いはどこにあるのでしょうか。

 

先日までおこなわれていた高校野球の甲子園、これなんかは逃げずにがんばり続けた人が出場切符を手にすることができたと言えるでしょう。

勉強も仕事も同じですが、逃げずに、あきらめずに粘り強く続けた人が、成長することができて、成果を得ることができます。

 

自己成長に結びつくことは、最初のうちはつまらないことが多いので、放り出したくなることも多いです。三日坊主というやつです。ですが、自分が成長したと実感できるためには、ある程度の時間をかけて努力しないといけません。

 

一方、逃げても良い場面はどんなときでしょうか?
これも季節柄の話題になりますが、先の戦争において旧日本軍は敵前で逃げることを許しませんでした。玉砕、を強要しました。一般の国民も投降を選ばずに集団自決をするケースも少なくありませんでした。

これなどは、逃げた(投降した)方が良い場面で、逃げなかったが故に生まれた悲劇といえます。

理不尽なトラブルに巻き込まれたとき、巻き込まれそうなときは、逃げるに越したことはありません。君子危うきに近寄らず、の精神です。

 

これら二つの例から、逃げるか逃げないかの判断は、自分が成長できるかどうかを基準に選択すれば良いことがわかります。

 

自己成長できる場面は逃げずにがんばる。
がんばってもデメリットばかりで成長がない場合は、とっとと逃げる。

 

前者は強い心を持ってがんばるしかないのでシンプルです。
後者は、こうは書きましたが、なかなか簡単なことではないことが多いのでやっかいです。
多くの場合、他人、世間、社会が絡んでくるからです。

いじめ。

逃げたら楽、逃げなきゃいけないことがわかっているのに、逃げられない。
DVやハラスメントの現場、ブラックな仕事を強要する職場、こういったものも簡単に逃げ出せない様々な事情があります。

 

逃げてもいいんだよ、逃げたら楽になれるよ、そう伝えたい出来事が身近にいっぱい存在します。

 

自分の力では逃げられない人がたくさんいます。
そんな人の力になれるのは、周囲の愛情を注げる人だけです。
私もかつて救われた経験があります。

 

逃げたくても逃げられない人の力になりたい。

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