乳牛と酪農を科学する

乳牛と酪農を科学する

乳牛の栄養や酪農システムについて大学教授がつぶやきます

今年も台風の被害:道内酪農

今日は娘と夕食をともにしました。

図書館で娘の本を借りた後に、近くのパスタのお店で食事を摂りました。ついでに、お店で宿題も一緒に片付けました。料理が来る少しの待ち時間に宿題を片付けようとする小4の娘。良くできた娘に、父は感心させられました。

↓問題は私が出しました。

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さて、昨年は相次ぐ台風被害や長雨の影響で北海道の東部では牧草の収穫が低調でした。せっかく収穫できた牧草も刈り取り適期を逃したために品質の低いものでした。

 

今年は好天に恵まれ牧草の収穫は順調に終えることができました。良い牧草がとれると牛は健康になり、乳生産量も増えます。やはり、基本のエサである草の品質が酪農では最も重要になるのです。

 

ですが、そんな北海道に先日台風が直撃しました。

台湾人の友人はそのような天候の中、千歳空港に降り立ちましたが、着陸直前は飛行機が揺れに揺れたそうです。この数分間の揺れはこれまでに経験したことのないもので、心底命の心配をしたそうです。

 

この台風ですが、またもや北海道の南西部から東部にかけて傷痕を残しながら駆け抜けていきました。

 

台風の暴風は、収穫直前の飼料用トウモロコシをなぎ倒しました。
幸い、本学は被害がなく、来週の月曜日から収穫を開始する予定です。

 

トウモロコシは倒れてしまうと、泥が付着して、カビや病気が発生してしまいます。収穫作業も難航し、作業効率が大幅に低下します。

 

牧草が豊作でようやく昨年の遅れを取り戻したかと思っていたところに、今度はトウモロコシが台風被害。
好事魔多しとはこのことをいうのでしょうか。

 

おまけに道内の牛乳は、ほくれん丸という大型フェリーで内地に移送されています。このフェリーも台風被害で欠航が相次いでおり、本州の牛乳不足に拍車をかける結果になっているそうです(酪農スピードニュース9/21)。

 

被害に遭われた農家は本当に気の毒です。
ですが、自然を相手にした農業とは、このようなリスクを常にはらんでいるということを忘れてはいけません。

 

消費者のみなさんにも、スーパーで当たり前のように陳列されている食材の裏側には大小様々な苦労があることを知ってもらえればと思います。