乳牛と酪農を科学する

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乳牛の栄養や酪農システムについて大学教授がつぶやきます

子育ての悩みを少しだけ楽にする方法

私の大学では保護者懇談会という行事があります。
普段訪れる機会のない子供の通っている大学を訪問し、希望すれば子を指導している教員と面談をすることができます。

 

私は2年生の担任(アドバイザー)と3~4年生のゼミ指導教官を任されています。
この土曜日に行われた保護者懇談会では、2年生と3年生の保護者3組と面談しました。

 

私は本学に勤めて20年になります。
保護者の方と面談するようになった当初は独身でした。
それが赤ん坊を育てるようになり、今では思春期の子供を育てています。

 

最近の我が子を観ていると、私が指導している大学生と行動パターンが似ていると感じる瞬間が少しずつ増えてきました。

20年前の私が保護者と学生について面談していたとき、10年前の私、そして今の私。
おそらく、学生の見え方や保護者に学生のことを伝える言葉は全く違っているはずです。

仮に同じ学生について語っていたとしても。

 

それは、子を育てる親としての経験値や共感力が、昔の私と比べて格段に高まっているからです。

 

今回は、健康上の問題を抱えながらも必死にがんばっている学生のお母さんと話をしました。話をし、話を聴くうちに、お互いに涙ぐむような場面もありました。
お母さんは不安で仕方なかったのですが、学生が意欲的に向上心を持って少しずつチャレンジしている様子をお伝えすると、安心してくれました。

 

我が家は我が家で全く問題がないかというとそんなことはなく、中2,小4それぞれここでは書けない悩みを抱えています。そのような子を育てる上での苦しみが、同じ親としての共感力アップに繋がり、過去の私ではできなかったような思いのこもった面談ができているのだと思います。

 

今回、面談をさせていただいた保護者のみなさんは、我が子を大学生まで育てているという意味では、一番上が中学生の私からすると「親」としての先輩です。保護者の不安を取り除くという役割を果たしつつ、私も親としての「気づき」を先輩たちから得ることができました。

 

一つは親が子供を想う様々な愛の形についてです。

みなさん、それぞれ異なる悩みや不安を抱えていましたが、共通していたのは子を想う親の愛です。今の私には、その愛の形が美しいと想えて仕方ありませんでした。


そして、もう一つは愛が深いほど悩みや不安も大きくなるが、それを誰かに共感してもらえると気持ちが楽になるということです。

 

3組の保護者全員が、訪れたときと帰って行くときでは顔の表情が異なりました。一様に安堵の表情がうかがえ、笑顔が観られました。特別な資格を持つわけでもない私であったとしても、聴いてもらい、共感してもらうことで、みなさんの心が前向きになれたのだと推測します。

 

我が家は子の悩みについて、第三者には相談できていませんが、少なくとも夫婦で共感できています。

もし一人で子供の悩みを抱えている親御さんがいるとすれば、誰か共感してもらえる人を探すとかなり楽になるのではないでしょうか。

 

↓4歳次男お気に入りのマイカー

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