乳牛と酪農を科学する

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乳牛の栄養や酪農システムについて大学教授がつぶやきます

真実は藪の中:報道を別の角度から観てみると

このブログでミャンマー人留学生のミンさんの話を何度かしてきました。
今月初めに農水省主催の表彰式に夫妻で訪日するので旧交を温めてきました。

 

そこで興味深い話を聴きました。

 

ミャンマー政権と少数民族ロヒンギャについてです。

 

日本の報道(世界中?)では、アウン・サン・スー・チーさんを中心とする政府がロヒンギャを迫害しているという論調です。ちなみに、スー・チーさんは大統領ではありません。彼女は夫がイギリス人のため大統領になる資格を有していないそうです(こんな話もミャンマー人と会話して知りました)。

 

BBCのニュースでも、日本同様に迫害を受けて大勢のロヒンギャの人々が犠牲になっていると報じられているそうです。

 

しかし、ミャンマー人であるミン夫妻が語る言葉は違った状況を教えてくれました。

 

ロヒンギャの一部の人々は重装備で武装し、地域のミャンマー人を攻撃しているそうです。ロヒンギャの犠牲者として報道されていたBBCのニュース映像も、実は地元ミャンマー人の犠牲者だったそうです。意図的なのか、単なる誤りなのか、はたまたミャンマー人サイドの誤解なのか、私には判断が付きかねますがミャンマー人の見解はそうでした。日本で報道されている事実が100%正しいとしても、ミャンマー人である友人が国際報道は真実を伝えていないと憤慨していたことは事実です。

 

今日(2017年11月26日)の北海道新聞の社説で「ロヒンギャ問題 スー・チー氏は行動を」とミャンマー政権がロヒンギャを一方的に迫害しているとする記事が紹介されていました。

 

私はどの事実が正しいのかはわかりません。ミャンマーは我々が住むアジアの一国ですが、日本で知り得る情報は限られており、私には距離以上に遠く感じられます。

 

今日ここで記しておきたいことは、ミャンマーで行われている衝突について、どちらが加害者で、どちらが犠牲者であるということではありません。
物事を一方向から見ただけでは、事実を正確に把握することは難しいのではないかということです。

 

昨夜放映されていたETV特集は「ロシア革命 100年後の真実」でした。
レーニンが主導したロシア革命、これも賞賛し心酔する人がいる一方で、迫害を受けた大勢の人がいて、立場によって賛否が分かれます。

今回の若いミャンマー人夫婦との会話は、黒白どちらかの側からだけで物事をとらえるのではなく、関連する様々な人の身になって考えることの大切さを教えてくれます。

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