乳牛と酪農を科学する

乳牛と酪農を科学する

乳牛の栄養や酪農システムについて大学教授がつぶやきます

プレゼンの極意とは? 受講生の積極的反応は、講師を乗せる!

高校に出向いての出前授業と、農協職員を対象としたセミナーと、立て続けに、外部講義をこなしました。

 

高校では、興味深い経験をしました。

 

私は、普段、大学で学生に講義をするとき、
「今日は一体感があって、気持ちよく講義ができた」と思うとき、
「今日は学生のノリが悪くて、講義をしていても、なんとも乗れなかった」と感じるときに分けられます。

 

学生は毎週同じなので、講義の内容によって、難易度が変わることが影響しているのだと思っていました。

 

先日の、函館の高校生対象の講義は、1時間の講義を2コマするというものでした。
生徒が、入れ替わるので、2コマは全く同じ内容の繰り返しです。

 

1コマ当たり、20名弱の生徒に、講義をしました。

 

1コマ目は、一体感があり、気持ちよく講義ができましたし、おそらく生徒たちの評価も高かったと想像します。

 

一方、2コマ目は、何か乗り切れないまま、60分が過ぎてしまいました。

私の方は、同じ内容を繰り返したにも、かかわらずです。

生徒の理解度も、1コマ目ほど高くなかったかもしれません。

 

帰りの車中、スーパーで購入した朝イカのお造りとハセガワストアの焼き鳥弁当を、ビールのお供に、授業を振り返りました(どちらも絶品でした!)。

 

授業を振り返ると、1コマ目は、数名の熱心な生徒がいて、うなずきや私の問いかけへのつぶやきが返ってきました。

2コマ目は、能動的に授業に参加してくれる生徒が、いませんでした。

 

同じ内容を繰り返し講義して分かったことは、受講生が能動的、積極的に参加して、反応を示してくれると、講師の方も流れるように講義を展開できる、ということです。

 

その後にあった、農協職員への講義も、うなずいてくれる受講生が数名いてくれたおかげで、ノリよく進めることができました。

 

講師のパフォーマンスを120%引き出すことは、巡り巡って、受講生の学びの質や量という形で、戻ってきます。
時間や参加費を掛けて、講義を受けるのであれば、有益な学びは是非ともゲットして帰りたいものです。
その、もっとも簡単な方法が、講師に対してリアクションするということなのかもしれません。

 

大きな教室でも、話してからは、積極的な受講生はとても良く目立つものです。

逆に、居眠り学生やスマホ学生も、真っ先に目に入ります(^^;)

 

もう一つ、農協職員への講義で感じたことがあります。
それは、聞き手と話し手(話す内容)のミスマッチです。

3時間の講義で、最初の1時間目、受講生の反応がとても鈍く、私からの問いかけにも答えが戻ってきませんでした。

 

休憩時間に、受講生に尋ねたところ、私が想定していた参加者の経歴と、実際の職務経験が、大きくずれていることが分かりました。

 

つまり、講義で用意してきた内容が、少し難し過ぎたようです。

それを知って、残りの時間は、内容を修正し、用意してきたスライドを大幅にカットしました。

 

技術系のセミナーではよくあることですが、講師は、自分の長年の専門分野を酔うように講義するが、受講生は難解な内容に付いて来れないということが、多々あります。

 

セミナーは、講師のカラオケの場ではないので、受講生ファーストで、準備する内容を吟味しなくてはいけないです。

 

今回は、グループワーク方式で、受講生の理解度を測りながら、進めたので気付くことができました。


一方的講義スタイルでは、気付くことなく、居眠りする受講生を尻目に、与えられた時間をやり通したことでしょう。

 

講師も、受講生から、多くのことを学び、プレゼンを改善するヒントをもらっているのです。

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