乳牛と酪農を科学する

乳牛と酪農を科学する

乳牛の栄養や酪農システムについて大学教授がつぶやきます

論文発行、嬉しさが染みいります

昨年の今頃、牛舎で卒論研究に邁進していました。


学生とともに夜討ち朝駆けで、牛舎に日参し、データ整理も同時に進めました。

学生の卒論とは別に、私自身も間髪入れずに論文執筆に取りかかり、GW明けには投稿まで持っていきました。

投稿先は、酪農業界の最高峰の学会誌です。
私からすれば「家賃が高い」と、これまでは敬遠してきた学会誌です。

 

ですが、共同研究の仲間であったO教授とF講師に後押しされて、チャレンジすることを決めました。

 

この半年間は、チョー密度の濃い、怒濤の期間でした。

産みの苦しみに、もがき苦しむ日々でした。

 

結果を論理的に裏付ける考察がどうしても思い浮かばない。

思いついた考察を裏付ける過去の研究成果(参考論文)が見つからない。

 

苦闘する日々でしたが、努力は裏切りませんでした。


調べ尽くしたと思っても、諦めずにさらに調べることを続けた結果、研究結果を説明するような論文が見つかり出しました。そこからは、私の頭の中で、芋づる式に考察が組み立てられていきました。

あのときの喜びは、ついこの間のように思い出せれます。

限界と思った瞬間に勝負から降りたことになってしまう、そんなことを身を持って体感しました。

 

学会編集部とのやりとりもスムーズこなすことができ、お盆前には受理の通知をもらうことができました。

この学会誌への投稿経験の豊富なO教授でさえも驚く、最短での審査通過だったそうです。

 

それから、少し間が空き、初雪の便りが届いた数日前、私たちの書いた論文が出版になりました。

 

今年は、私が指導していたミャンマー人の留学生が、5度の不受理を経た6度目のチャレンジで論文を受理されました。

 

それに続く、嬉しいできごとです。

登ったことのない高い山の頂上をきわめたような気分です。

今日は、自慢っぽい内容になってしまいましたが、自分へのごほうびということでご勘弁を(^^;)

 

f:id:dairycow2017:20191115170202j:plain