乳牛と酪農を科学する

乳牛と酪農を科学する

乳牛の栄養や酪農システムについて大学教授がつぶやきます

獣医師と栄養学

先週末、札幌での学会参加のため、九州から友人のA獣医師が来道しました。A獣医師の知人のO獣医師も交えて、ススキノで一杯やりました。

 

彼らは向上心旺盛な“意識高い系”の獣医師で、二人とも仕事をしながら、大学の博士課程で学んでいます。

 

私も経験しましたが、仕事をしながら、博士の学位を取得するのは並大抵の苦労ではありません。

当時の私がそうだったように、30代後半から40代前半の彼らは、仕事の責任が高まってきている時期に加えて、子育ても忙しくかつ楽しい時期なので、学位取得のためには、高度な時間管理術が求められます。

そんな学びに対して貪欲な彼らと酒を酌み交わすのは、とても心地よい時間でした。

ちなみに、日本酒と北海道の海の幸やラム肉料理、その後は、牛テールラーメンとマッコリという趣向の異なる満足コースでした。

 

つきない話題の中でも、印象的だったのは栄養学と獣医臨床現場の強い結びつきです。

 

「繁殖系の処置を子宮に施してもそれほど効果なかったのが、エサを改善すると、いとも簡単に受胎率がアップした。獣医としての処置よりも、栄養の方が重要なケースもある」という、O獣医師の言葉には深い示唆が含まれていました。

 

栄養学が万能という訳ではありませんが、酪農現場では、獣医療と栄養学の両輪が欠かせないことを改めて実感しました。

数ある忘年会の中でも、ひときわ楽しい忘年会でした。