乳牛と酪農を科学する

乳牛と酪農を科学する

乳牛の栄養や酪農システムについて大学教授がつぶやきます

「胆のう」と脂肪の関係

友人が胆嚢(たんのう)炎で入院しました。
入院即、手術ということで、緊急性を要するものでした。

 

さて、胆のうという臓器、あまりなじみがないなあ、ということで少し調べてみました。

 

まず、胆のうについて知る前に、食べ物の消化について大まかに把握しておく方が話は早いです。
急がば回れですね。

 

食べ物は、次のステップで消化されていきます。

 

ちなみに、消化とは、食べ物が吸収可能な大きさにまで細かくなることです。吸収される場所は小腸です。食べ物が、どれくらい細かくなると吸収されるかというと、アミノ酸ブドウ糖といった低分子レベルの大きさです。

 

消化のステップ

1.口:食べ物は、歯によって咀嚼され、唾液と混和されます。これは物理的な消化です。

 

2.胃:食べ物は胃酸によって酸性化されます。これ以降、固形分からドロドロの内容物になっていきます。消化酵素による化学的な消化が開始します。

 

3.十二指腸:膵臓(すいぞう)から膵液が、胆のうから胆汁(たんじゅう)が分泌されて、管でつながった十二指腸に流れ込みます。化学的消化がさらに進みます。これらの消化液はアルカリ性なので、胃酸で酸性化した消化物が中和されます。

 

4.小腸:小腸で分泌される消化液にも消化酵素が含まれていて、化学的消化の最終段階となります。消化物の消化が進むと同時に、細かくなった消化物が吸収されます。

 

胆のうは、3で出てきました。

 

胆のうから分泌される胆汁は、肝臓で作られます。

胆汁には、脂肪の消化を助ける物質が含まれています。

その中には、オシッコやウンチの黄色系の材料であるビリルビンも含まれています。

 

さらに、胆汁には不要になったコレステロールも含まれています。体内で必要なくなったコレステロールは、胆汁に溶け込んで、便といっしょに排泄されます。

 

地味な存在の胆のうですが、脂肪の消化にとって重要な胆汁を分泌しています。

 

↓胆のうについて、とてもわかりやすいページです。

胆のう|からだとくすりのはなし|中外製薬

 

脂肪を含む食べ物(消化物)が、十二指腸に流れて込んでくると、胆のうはせっせと胆汁を分泌して、脂肪の消化を助けます。(実際の脂肪消化酵素は膵液に含まれます)

 

油っぽい食べ物を習慣的に摂取すると、胆汁の分泌量も増えます。また、胆汁中に溶け込むコレステロールも増えます。

 

胆汁中のコレステロール、コイツが悪さをします。

胆汁に含まれるコレステロールですが、その量が多すぎると石となって固まり、胆のうの出口や胆汁の流れる管(胆管)につまってしまいます。
これが胆のう炎の主要な原因です。

 

脂っこい食事をしていると、胆のうにコレステロールの石(胆石といいます)ができてしまうのです。

 

胆のうの出口や胆管が詰まると、胆汁が流れなくなるだけではなく、胆のうの上に位置する肝臓にまで悪影響が及び、手遅れになると命の危険も及ぶそうです。

 

アブラっこい食べ物、おいしいですが、ほどほどにするのが大切ですね。

私が要注意として遠ざけている、2大アブラっこい食べ物として、ポテトチップスとカップラーメンがあります。


あれ、トンカツやザンギといった、揚げ物系の食事でないの?と思われたかもしれません。

でも、これらの揚げ物系の食事って、外食時に意識してオーダーしないと食べられないですよね。ましてや、家庭では毎日のようには、なかなか食べられません。

 

一方、カップラーメンやポテチって、買い求めやすいので、ほぼ“無意識”に、毎日でも食べられます。
中毒性があって、簡単に手に入る、そして脂肪をたっぷり含むという意味で、ヤバい食品ではないでしょうか。

 

今日は、アブラの消化と胆のうのお話しでした。

 

↓娘の卒業祝いに、近所の激うまザンギ店でランチをいただきました(背徳。。。)