おばんです。
昨日、今日と、東京出張で街なかを歩いていて、人と3回接触しました。
皆、歩きスマホの人たちです。
札幌では、ヒトとの接触はほとんど経験したことがありません。
東京の人口密度が大きいことを実感します。
東京の人口密度についてすごいと思う瞬間がもう一つあります。
それは、居酒屋に入って食事をするときです。
椅子と椅子、テーブルとテーブルの間隔がとても狭いのです!
身体を横にしてカニ歩きしないと通ることができない店内は珍しくありません。店内の窮屈さには、とてもびっくりです。札幌ではまず考えられないことです。
こういったことを経験すると、東京に住んでいるヒトは人口密度の大きさに日々ストレスを受けていることがわかります。
乳牛の飼養密度
あるスペースに在籍するウシの頭数を飼養密度といいます。人口密度と考え方は同じです。
分娩を間近に控えたウシたちは、搾乳をストップし次の分娩に備えてゆったりと過ごします。本学では、それらのウシたちを一つの区画に集めてグループで飼育します。
ここの飼養密度は近々分娩するウシの頭数によって変動します。
秋も深まり、それまで放牧していたウシたちが、このスペースに入ってくるようになると飼養密度は急激に高まります。また、本学特有の現象ですが冬場は分娩頭数も多くなるので、飼養密度の増加傾向は強まります。その結果、時期によっては過密気味になったりします。※分娩すると、ウシはこの区画から別の区画に移動します。
過密状態にどうなるかという興味深い研究結果があります。
下のグラフは外国のある2カ所の酪農場での調査結果です。
横軸は牛の飼養密度で、ウシが食べる場所(スタンチョンといって、写真の牛が首を出しているスペースになります)に対する在籍頭数の割合になります。100のラインがスタンチョンの数とウシの数がちょうど一致することになり、100を越えるとスタンチョン以上にウシがいることを意味します(初出から修正しました)。食卓テーブルに備え付けられた椅子をイメージするとよいでしょう。テーブルに4脚の椅子があって、4人が座ると100ということになります。
縦軸は採食量で、この値が低下することは、ウシが食べたくてもエサを食べられないためにストレスを感じていることを意味しています。
特筆すべきは、在籍頭数とスタンチョンの数がぴったりの100のラインでも、すでに採食量は減少しているということです。これは、ウシが飼養密度に敏感に反応することを意味しています。4人掛けの食卓テーブルに4人で座ると、しかもそれが相席だったりするとあずましくないと感じるのと同じですね。
飼養密度の上昇にともない、有形無形のストレスをウシたちは被っていることがわかります。
私たちの農場でも、冬場の飼養密度が高い時期は、難産などの分娩時の事故が増加しがちになります。
技師は細心の注意をウシたちに向けますが、どうしても避けられない事故が発生してしまいます。
これは何もウシに限ったことではなく、ヒトも同じでしょう。
過密な東京に住む人たちは、田舎では感じることのないストレスを日々感じているのだと思います。
体調に悪影響が出ないように、ストレスを溜め込まない生活を意識することが大切です。
さて、私はこれから家族の待つ札幌に帰ります。私にとって家族は最大のストレス解消、元気の源です。
それにしても、羽田空港も混んでいるなあ。