乳牛と酪農を科学する

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乳牛の栄養や酪農システムについて大学教授がつぶやきます

テノール歌手、新垣 勉さんのコンサートに行ってきました

私、俗な人間で、オペラとか声楽に関心が無く、これまでまともに聴いたことがありませんでした。

 

まだ雪深い季節でしたが、新聞で全盲テノール歌手新垣 勉さんのコンサートに抽選で無料ご招待という広告を見つけました。今の時代、はがきで懸賞に応募する機会なんか滅多にありませんから、中2の息子に応募させました。

 

案の定、宛名の書き方から教えなくてはいけなくて現代っ子の“常識”に驚かされました。。。

 

それはそうと、応募したのも忘れかけていた頃、思いがけず当選し招待券が送られてきました。

小4の娘は予定が合いませんでしたが、次男を両親に預けて、私、妻、長男で参加してきました。

 

音楽は新垣さんとピアノの伴奏のお二人でおやりになり、その前に司会者をまじえてのトークショーがありました。

新垣さんの戦争の産物ともいえる決して幸せとは言えない生い立ち、歌や語学への努力、家族の愛情と絶望、恩師との出会いなど、ドラマに満ちた半生と合間に挟まれるすばらしい歌声に前半だけでもすっかり魅了されました。

 

後半は、じっくり聞かせてくれる歌の数々。

生まれて初めてまともに聴くテノールに圧倒され、最後はじわーっと涙がこみ上げるような感動を味わいました。

 

妻も息子も感動していた様子です。

 

当初は、子供に懸賞に応募する楽しみを経験させたかったことと、声楽というものに触れさせてやりたいという思いが目的でした。私自身は引率くらいの気持ちで、正直なところ「休みがつぶれちゃうなー」くらいの気持ちでした。

 

しかし、その私が最も影響を受けたかもしれません。参加して良かったです。

この歳になって、未だに新たな楽しみと出会えたことに新鮮な驚きや幸せを感じています。まだまだ、私の経験したことのない楽しみが世の中にはいっぱい存在することを学びました。

 

お隣のご婦人は公演終了後は目頭をハンカチでぬぐっていました。

安っぽい表現かもしれませんが、私も心が震える経験をしました。

何を今頃と思われるかもしれませんが、新たなワクワクする楽しみが見つかり、とてもハッピーな一日になりました。

 

演奏終了後は、次男の子守りをしてくれた両親への手土産として、小樽発祥のソウルフード「かま栄のかまぼこ」を買って帰路につきました。

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