乳牛と酪農を科学する

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乳牛の栄養や酪農システムについて大学教授がつぶやきます

思春期の若者がムカつくのはホルモンの嵐のせい:ETV特集「キミのこと聞かせてよ~木原雅子さんの出張授業~」

私の大学では永年勤続者にご褒美の休みが付与されます。
私は今年20年勤続を迎えたので3日間休みを取ることができます。
多いのか少ないのか。。。

今日は我が家の結婚記念日なので、休みを1日充てることにしました。
夕方から子供たちを私の両親に預けて、スペシャルディナーに行ってきます(^^)

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人間関係のプロから学びを得る

私は学生指導や我が家の子供たちとの生活、あるいは職場の人間関係など、コミュニケーションについて関心を持っており、また悩む場面もあります。

 

先週末、土曜日深夜に夫婦で時たま観るETV特集がともておもしろかったです。


当日は21時半からの尾木ママが出ている「噂の保護者会」でも思春期の子供たちが取り上げられていました。親が何か聞いても「大丈夫」、「わかってる」、「別に」という返事しか戻ってこないというものでした。

 

ETV特集では、授業が騒がしく先生の影響力が及んでいない中学校に、京都大学の木原さんが出向き、生徒と向き合った半年間を描いたものでした。 

www4.nhk.or.jp

教師たちは、無秩序な生徒たちを叱りつけて抑えつけようとするのですが全くうまくいきません。むしろ生徒との関係が悪化するばかりです。

そんな中で、中学校を訪れた木原さんは生徒に寄り添い、耳を傾けていきます。お菓子を食べて、飲み物を飲みながら。


そうすると問題児とされていた生徒も口を開きだします。胸の内に抱えていた不満やストレスを聞いてもらえて安心と信頼感が芽生えます。


調査を進めていく中で、生徒同士の人間関係のストレスが、先生への反発となって現れていたことが明らかになってきます。

 

木原さんはアクティブラーニング方式を取り入れた講義をおこないます。

一方通行ではない、生徒参加型の双方向講義によって、生徒間の交流や生徒と先生の会話が促されます。

そうする内に、騒がしかった授業も徐々に落ち着いてきて、成績もぐんぐん上昇していきました。実に8割の生徒が内心では静かで集中できる授業を望んでいたからです。しかし、その気持ちを皆表に出せないでいたのです。自分だけ特別な存在になりたくはないという同調圧からです。

 

木原さんの講義の中で性教育とホルモンの話がありました。
「身体は黙っていても大人になるが、心が大人になるには自分の努力も必要です」
「思春期になって勝手に性格が悪くなったのではなく、それはホルモンのせいです。イライラ、ムカつく、といった感情は身体の中で起こっているホルモンの嵐のせいなのです」
木原さんは優しい語り口で、生徒の心に届く講義をおこなっていきます。


「どうしたらムカつく気持ちをコントロールできると思う?」といった問いかけや、
「理想の交際相手(彼氏、彼女)は?」といったようなくだけた内容まで、グループワークをおこないます。木原さんは生徒の活動が円滑に回るようにファシリテートしていきます。


生徒たちは自分の考えを付箋に書いて模造紙に貼っていき、最後にグループ発表をします。
他人に無関心だった生徒たちの間にまとまりが生まれていきます。

自分の考えを語り、相手の意見を受け入れることを通して、他人を思いやれるようになっていきます。

開けごま!:ちょっとした工夫で相手の心が開く

 

生徒との距離を埋めるおもしろいツールがありました。
「プチスタ」という、簡単な1枚もののドリルです。

簡単な問題が載ったドリルで、生徒が取り組むと先生に丸付けをしてもらいます。
この丸付けの際に小さな会話や交流が生まれます。

この会話がきっかけになり丸付けをした先生と生徒の間に信頼関係が醸し出されます。

生徒の自発性や直接的な学力向上にもつながります。

 

半年間の最後の講義では、自分の将来について考える時間がありました。
生徒は1年後の自分に手紙を書きました。
これは、今の自分を振り返り、将来の自分をイメージするという、私たちビジネスパーソンでも活かせる取り組みでした。

生徒たちは、これまでのだらしない態度のままではダメになるよ、がんばって夢に近づこう、と未来の自分への叱咤激励を書いていきます。

 

木原さんはこう語りました。
「私が生徒たちを変えたのではなく、彼ら彼女らが元々持っていたものを引き出せただけです」


彼女は謙遜しますが、「傾聴」によって相手の自発性を引き出し、結果的に潜在能力を発揮させることができるという貴重な実践例です。

ある教師が語っていました。

「教師になって30年たつけど、こういった発想をしたことはなかった。(効果に)びっくりした」

 

生徒だけに限らず、親と子、夫と妻、管理職と部下など、あらゆる組織、チームに応用できる、とても示唆に富んだ内容でした。