語学は、自国語だからといって、他人の文章を適切に手直しできるわけではありません。
今回は、英語について、キョーレツなガッカリ経験をしました。
私は、今、英語で論文を書いています。
2年前のデータになりますが、学会誌で公表するに値するデータが得られたからです。
一通り最後まで書き終えたので、学会投稿前の恒例行事、英文校正業者に原稿チェックを依頼しました。
いつもお願いしている業者から、今回は浮気して、ネットで検索すると上位に来る、大手業者に依頼してみました。
評判が良いようなので、ものは試しという、軽い気持ちでした。
通常は、英語圏ネイティブによるチェックを受けた原稿を見ると、「ナルホドネー」という、自分では言い回しできない、洗練された文章になって戻ってきます。
それを、あとは学会誌に投稿するだけ、という流れになります。
しかし、今回は驚きました。
修正済みの原稿は、英語がペラペラではない、私がみても、意味が通らない文になっていたり、幼稚な文に変更になっていたからです。
例えば、「牛に、リンゴの代わりに、ミカンを与えた」というような文章が、「リンゴを与えられた牛はミカンである」という感じに、変更されていました。
材料と方法では、ほぼ全ての文章が、We(私は)を主語に変えられていました。
「私は~をした。私は~をした」の繰り返しで、まるで小学生の作文です。
あまりのおかしな文章だったので、私は、最初の序文と方法までしか読むことができませんでした。
私は、「英語は学ぶより真似よ」のスタイルで、頻出する言い回しの多くは、一流学会誌の表現を参考にしています。
したがって、私が書いたからといって、英文として大きくズレることは、これまではありませんでした。
そんな自分の原稿が、読むことができない文になって、戻ってくるというショック。
おまけに、金額は万の単位で四捨五入すると10万円!
演習などで、乳牛栄養学の日本語の教科書を学生と輪読すると、日本語であっても経験の浅い学生にとっては理解することができません。
今回の外人さんの校正担当者も、同じだったのでしょう。
経験の浅い人に当たってしまったのだと思います。
そうはいっても、プロの仕事ですし、こちらは高額な対価を支払っています。
おまけに英語でクレームを入れなければならないので、何度かのやりとりには、大きな時間を割かれました。
5月11日に業者に初稿のチェックを依頼し、今日(5月28日)に、3度目の直しの原稿が戻ってきました。
これを確認して、明日、学会誌に投稿できれば良いのですが。。。
ホトホト疲れました。。。