乳牛と酪農を科学する

乳牛と酪農を科学する

乳牛の栄養や酪農システムについて大学教授がつぶやきます

フランスはありがとうの国、日本はすみませんの国

フランス滞在も最終日、間もなく搭乗です。

今回の旅は、北海道を襲った大地震のことで頭がいっぱいになり、学びや楽しみに集中できない時間が多くありました。

 

遠く離れていたため、地震発生当初は家族と連絡がとれず、かといって何もできず、とても苦しみました。

今日(9月8日)現在、概ね平常通りの日常が戻っているようで、まずはホッとしています。

ラインの無料電話、Wi-Fiをキャッチできるところでは、とても助かりました。

 

さて、数日間の滞在でしたが、フランスと日本の国民性の違いについて、感じたことがありました。

 

こちらでは、ヒトとヒトのちょっとしたすれ違いの時、日本との違いを感じます。

 

例えばエレベーターのドアが閉まりそうなときに、駆け込んできた人がいて、私がドアをとっさに開けます。

こちらの人は、笑顔で(←ここ重要ですが)「メルシ(ありがとう)」と返ってきます。
日本では、「ありがとう」よりも「すみません」が多くないでしょうか。

 

たしかに、フランスでも「パルドン(すみません)」という場面もありますが、それは誰かにぶつかったときなど、明らかに迷惑をかけたときに限られます。

 

こちらで感謝の言葉を述べる場面でも、日本では感謝と軽い申し訳ないという気持ちの混ざった「すみません」が多用されるように思います。こういった心情では、どちらかというと笑顔は少なく、軽く頭を下げるような心持ちではないでしょうか。

 

このような奥ゆかしいところは日本人の美徳かもしれません。

ですが、見方を変えると、ヒトや周囲に対して、すまない、申し訳ないという思いが先行しがちな、あまりハッピーではない風習にも感じられます。

 

だって、笑顔で、元気よく「メルシ」と言われると、こちらもハッピーな気持ちになり、笑顔になりますもの。

東京出張などで、人混みに入ってすみませんは頻繁に言うけど、店の店員やすれ違った見知らぬヒトに笑顔でありがとうと言う機会、少ないように思います。

 

笑顔でありがとうといわれ、こちらも元気よくメルシで返す、とても明るい気持ちになります。

 

帰国したら、もっとたくさん、笑顔でありがとうを言おうかな、という気持ちになりました。
今回の地震では、みなで助け合って、ありがとうがいたるところで聞かれていたとは思いますが。

 

↓どこに行っても花にあふれるフランスの裏道

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