私は学生時代、「東京に原発を」(広瀬隆著)という本を読んだり、反原発を唱えていた高木仁三郎氏の講演会に参加したりしていました。
その時に、原発から排出される核のゴミ(プルトニウム)をフランスやイギリスに輸出していることを知りました。
自国で処理できないゴミを、外国の力を借りて処理するということに、若かった私は疑問を感じ、また憤りを感じもしました。
月日は流れ、そんな私も丸くなり、今ではやみくもな反原発というわけではなくなりましたが。。。
さて、今日のテーマは原発ではありません。
先日の農業新聞で、「農業用廃プラスチック(廃プラ)の中国禁輸によって、経営圧迫」(9/15付け)という記事が一面を飾っていました。
日本農業新聞 - 廃プラ処理 経営圧迫 業者減少、中国禁輸… 農家を直撃 1年で費用2、3倍に高騰 九州のJA 資材下げも相殺
酪農では、サイレージという乳酸発酵飼料を作ると、バンカーサイロのシートやラップフィルムといった形で、大量の廃プラがゴミとして出てきます。これは汚くて、クサいのですが、中国をはじめとするアジア諸国に輸出して処理してもらっていたそうです。
↓ロール状のサイレージを包むラップフィルム、開封すると、フィルムはゴミとなります。
中国が環境問題から禁輸したことから、廃プラの処理費用は1kg12円から36円へと高騰しました。
「多く出す人は年間100万円近い負担になる」と同紙は指摘しています。
日本は、これまで中国に廃プラを年間百数十万トン輸出していたそうです。
酪農で、サイレージは切っても切れない重要な飼料です。
サイレージを作る限りは、大量の廃プラが排出されます。
あの汚い廃プラ、中国の労働者が処理していたのかなと思うと、胸が痛む思いがします。
コストが高くなっても、自国で処理できるのが理想でしょう。
大量生産、大量廃棄は、農業の世界にも当てはまるのかもしれません。
今日も、明日も、農場では廃プラがゴミとして出てきます。