乳牛と酪農を科学する

乳牛と酪農を科学する

乳牛の栄養や酪農システムについて大学教授がつぶやきます

大阪でホルモンを食べて、消化管の旨みについて考えた

今週末は、出張で大阪に来ています。


土日に仕事は、休息がとれずしんどいので、月~金勤務のビジネスパーソンにとって、できれば避けたいパターンです。

今回はこの土日に開催される、ある学習会への参加のため、やむを得えずの出張でした。

 

それはそうと、せっかくの遠方の出張、地元の食材を堪能したいものです。
17時過ぎに学習会が終わり、同僚と二人で、会場近くのホルモン焼き肉の店に入りました。

 

私は普段、それほど焼き肉を食べることはなく、ホルモンも好んで注文しません。
ですが、ここ大阪はホルモンをたくさん食べるというイメージがあります。
相方が肉好きということもあり、迷わずのチョイスでした。

 

まずはビールを頼み、次いで、ハラミ、ホルモン、ミノ、センマイ、ハツを頼みます。

 

私の地元北海道でハラミといえば、鮭のハラミを思い浮かべます。鮭ハラミ定食なんていうのは、焼き魚系の定食メニューで見かけます。

焼き肉のハラミとは?という感じでしたが、これは北海道でいうところのサガリなんですね。
ハラミ(サガリ)は牛の横隔膜なので、赤身肉で、旨みが強く食べやすい部位です。繊維の柔らかい筋肉なので、リーズナブルな割においしい肉です。

ホルモンは、小腸です。

肉牛のホルモンなので、小腸の筋肉に脂身がどっしりとついていました。

私は、牛脂を食べ過ぎると、お腹の調子が悪くなるのですが、このお店は七輪なので、炭火の上にアブラが落ちて、ちょうど良い塩梅に焼くことができました。

 

ホルモンは、じっくり焼くととてもおいしいと感じました。

カリッとした筋肉と、ほどよくアブラの抜けた脂身の旨みが、ちょうど良いバランスで口の中に溶け込みます。

 

ミノは第一胃(ルーメン)、センマイは第三胃です。
こちらは私の専門分野です(^^)

私はルーメンの専門家ですが、食材としての牛の胃袋系はあまり好きではありませんでした。
ですが、昨日食べた二つの胃はとてもおいしかったです。

 

ミノは火を通すとプリプリ、ムニムニな筋肉ですが、噛むとサクッと切断できます。この食感がおいしく、ずいぶんと箸が進みました。

 

そしてこの日の極めつけが、センマイでした。
こちらは湯がいたものを、酢ミソのようなタレを付けて食べる、冷製スタイルでした。

第三胃の構造として、胃の表面に長く延びたヒダヒダが特徴です。
ヒダの表面には、小さな突起が生えています。
この突起から、水分やミネラルを吸収されます。

 

薄くスライスされたセンマイを、口に運ぶと、まずはヒダヒダの間に絡まり合ったタレの旨みが口内に広がります。

ゆっくり咀嚼すると、ヒダの間からさらにタレが溶け出すのと合わせて、ヒダに形成されている突起が心地よく舌を刺激します。

旨みと咀嚼の際の歯ごたえや舌触り、これらが絶妙なバランスとなって、食の快楽を刺激します。

センマイ自体は味のある肉ではありませんが、火の通し加減、スライスの仕方とタレの旨みがマッチすると、クセになる料理に変身することに気がつきました。

この先、ホルモン系の店に入ったとき、次回も私はセンマイをいただくことでしょう。

 

ハツは、普段から焼き鳥でおなじみです。
こちらはシャクシャクとした歯ごたえを楽しむためにも、普段は塩でいただきます。
昨日は、タレでしたが、こちらも違ったおいしさがありました。

 

普段、一人での出張では、焼き肉系の店をチョイスすることはありません。一人ではナンボも食べられませんからね。

 

この日は、肉好きの同僚も一緒ということで、ホルモンをしっかり堪能できました。

 

さ、明日も仕事。
後期の授業最終日です。
ガンバリマス!