卒論執筆も佳境に突入しました。
我が家の受験生もいよいよ大詰めです。
卒論や学生のレポート、受験生の息子との会話などを通して、作文力・読解力について感じることがあります。
作文力については、大きく二つのことを感じます。
一つ目に、学生、生徒は主語を省く傾向にあるということです。
私も、このブログやSNSでは、主語を省いた短縮文を多用します。
ですが、学生たちは論文でもそれをやるので、その主体が誰なのかが分からず、意味が分からなくなるケースが多々あります。
息子との会話でも、少し難しい説明を求めたときなど、主語が省かれていると、何のことなのかが分からないことがあります。
もう一つは、文章が単刀直入すぎるということです。
「AはBである」
といった表現によく遭遇します。
この場合、聞いていた方は、なぜそうなるのか知りたいので、「なぜ?」と質問することになります。先回りして、なぜそうなるのかを言葉で補足してくれると、ワンランク上の会話・作文になります。
また、上の例などまだ良い方で、ただ単に「B」と言われたりすることも少なくありません(^^;)
「AはCである。CはBである。それなので、AはBである」のように、言葉でわかりやすく説明するのは、意識すればそれほど難しくありません。
ですが、学生や生徒たちは、ある事柄の背景や理由も含めて説明・作文するのが、得意ではないようです。というか、そういうことを省略する習慣になっているというか。
日頃から、ちゃんとした文を「書く」ことをしていないことが原因だろうと推測します。
一方で、読解力です。
私は、グラフや表といったデータを読み取る場面で、読解力の弱さを感じます。
例えば、
表を読み込むとき、結果に差があるとみるのか、全体を俯瞰すると無視して良い小さな差であるのか、ということ。
グラフを眺めて、データが法則性を持って変化しているのか、または変化せず一定に推移していると読み取ってよいのか、ということ。
文字以外の情報を理解し、言葉や文字にするのが、なかなか難しいようです。
たしかに、これらは訓練が必要です。
すぐさまできるわけではありません。
ですが、見方を変えると、多くの人が苦手なことを得意分野にできれば、大きな武器になります。
日頃から、文字以外の情報を、文字に置き換えることを、意識すると良いのではないでしょうか。
たとえば、食べたものの感想、旅先の風景、テレビ番組の内容、学校での出来事などを、積極的に言葉で表すなんていうのはいかがでしょうか。
いずれも文字以外の情報を、文字にする訓練になります。
おいしい料理のおいしさを、具体的に伝えることができれば、それを作ってくれた人(我が家では妻)へのリスペクトにもつながり、好感度もアップします。
一石二鳥ですよ。