乳牛と酪農を科学する

乳牛と酪農を科学する

乳牛の栄養や酪農システムについて大学教授がつぶやきます

日本の近隣諸国に超巨大酪農場が乱立

2019年2月6日付の酪農スピードニュースが「ベトナム最大のギガファームは生産量20万㌧」と報じました。

この牧場では、4万頭の乳牛が飼われ、1日500トン(年間18万トン)の牛乳を生産するそうです。20万トンの牛乳出荷が当面の目標だそうです。


何から何まで桁違いですが、記事の解説にはさらに興味深いコメントが記載されていました。

 

同紙の解説によると、超巨大牧場はベトナムのみならず、ロシア(年間30万トン)、中国(年間120万トン)と、近隣諸国で設立が続いているとのことです。

経済発展から、国民の牛乳消費量が急増しているのがその理由のようです。

 

なかでも、ロシアは、近い将来牛乳の輸出国に転じると予測されているそうです。

さらに、距離の近さを活かして、日本への輸出も視野に入れているというではありませんか。

 

このブログでもお伝えしましたが、北海道の牛乳は本州へ毎日輸送されています。

ベトナムはさすがに遠いですが、たしかにロシアからなら、北海道から運ぶのとさほど変わらない日数で、本州に牛乳を輸出できるかもしれません。

 

昨日、今日と大手乳業メーカーが牛乳、乳製品の値上げを発表しました。

原料の仕入れ価格の上昇が関係しているかもしれません。

 

現状では、酪農家は手取りが増えて経営にとっては追い風ですが、ロシアという黒船が牛乳を満載して日本を訪れる日も遠くないのかもしれません。

そんなことを想像して、うっすらと寒々した気持ちになる記事でした。

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