最近はまっている「BS世界のドキュメンタリー」、昨夜もを観ました。
私が、チャンネルを合わせたのが番組開始後少し立ってからでしたが、そこには壮絶な映像が流れていました。
イラクのモスルという街ではISとの戦争が激化しており、ISが街中の地面や家の中など、あらゆるところに手製の爆弾を隠し、市民の生活を混乱に陥れていました。
その爆弾の処理をする中年男性兵士の仕事ぶりを、同僚(甥?)がハンディビデオで映していた映像が淡々と放映されました。
アナウンスもほとんどない、全くのプライベート映像でした。
その映像の中で、彼は淡々と爆弾を発見し、処理していきます。
爆弾の構造はわかりませんが、彼がニッパーで起爆装置のワイヤーを切っていくと、不発弾となるようでした。
しかし、爆弾は携帯電話など巧妙な起爆装置と接続されており、ほんの些細なことで爆発してしまいます。
私が番組にチャンネルを合わせて間もなく、一度目の爆発が彼を襲います。
血みどろになり、片足がなくなってしまった、瀕死の彼をとらえた映像。
爆発の瞬間は画面が砂塵で真っ白になってしまうほどの、ものすごい衝撃波でした。映画やドラマで見るようなものとは全く違うパワーです。
中年兵士は、一命を取り留め、義足を付けて現場に復帰します。
片付けても、片付けても、大量に発見される爆弾、爆弾、爆弾。。。
トラックの荷台が不発処理された爆弾で一杯になります。
住宅に戻りたくても、爆弾だらけで帰れない市民。
中年兵士は、同胞を守りたいという使命感で、黙々と爆弾を処理し続けます。
彼と同僚が、ある住宅の爆弾捜索していたとき、3個ある起爆装置のうち2個は見つかりましたが、あと一つが見つかりません。
そんなとき、彼の携帯電話が鳴ります。
なんと、家賃の支払いを督促する大屋からの電話でした。
危険に身をさらしながら、貧窮で家賃の支払いにも困っている中年兵士の暮らしぶりに胸が詰まります。
戦争って一体何なのでしょうか。。。
そのとき、もう一度、携帯電話が鳴りました。
それは、見つけることのできなかった最後の起爆装置でした。
映像はその直後の、ものすごい衝撃と、がれきと化した住宅の映像で終わります。
ほぼノーナレーションのホームムービー。
中年兵士の息子が見つけたビデオテープを再生した番組でした。
ISの兵士たちは、どのような気持ちで、イラク市民の住宅に爆弾を仕掛けて歩いたのでしょうか。
私には全く理解できません。
番組のラストはショックで息が詰まるほどでした。
「BS世界のドキュメンタリー」、深く、考えさせられる番組の数々を観るたびに思います。
こういった問題作を作れる国々と、作ることのできない日本。
文化や教養の違いを感じてしまいます。
↓庭のクロッカスが花を咲かせました