乳牛と酪農を科学する

乳牛と酪農を科学する

乳牛の栄養や酪農システムについて大学教授がつぶやきます

憎たらしい免疫

免疫といえば、病気から守ってくれるものということで、免疫力アップのための生活習慣や、食生活は何かと注目されます。

一般的には、とても大切なものと認識されています。

 

今年は、服薬がうまくいったので軽くすみましたが、私はシラカバ花粉症で毎春悩まされます。

次男は、アトピーと喘息持ち。
妻は、どうもリウマチのケが出てきたようで、関節痛に悩まされています。

 

これらはすべて、体内の免疫が暴走してしまって、自らの身体を過剰に攻撃してしまっている状態です。

 

痛みはわかりやすいですが、痒みも痛み同様、体内の炎症反応です。
炎症は、病原体と闘う免疫細胞が活発に働いている証しです。

 

蚊に刺されると赤く腫れるのも、免疫反応の一種です。
蚊の唾液に含まれる異物(毒素)を排除しようとして、免疫細胞が活性化します。活性化した免疫細胞によって、免疫反応が次々と起こり、炎症物質(ここではヒスタミン)が作られます。

 

炎症反応が起こるのは、蚊に刺されたときだけではありません。
インフルエンザや風邪を引いて熱が出るのも、炎症反応です。
免疫細胞が活性化すると熱が出ますし、熱が高まるとウイルスも生存できません。

 

このように大切な免疫反応ですが、制御不能になり、過敏になってしまうとアレルギーやリウマチといった免疫系の病気になってしまいます。
たかだか、シラカバ花粉やリンゴを毒と思われて、免疫反応が活性化するなど、本当に迷惑な話ですし、たまったものではありません。

なんでリンゴが毒やねん?!

 

まだ花粉症くらいなら可愛いものですが、喘息、アトピー、リウマチなど、年がら年中苦しまされる病気などにかかってしまうと、なくては困る大切な免疫であっても、憎たらしささえ抱いてしまいます。

 

免疫を適正に保つクスリも開発が進んでいるようです。
花粉症を改善する舌下免疫療法などは新しい治療法で、次男もかかりつけ医から勧められています。

 

免疫、この不可思議で、欠くことのできない、そして時にやっかいなシステム。
なくては困るけど、最近は悩みも多い、我が家の注目のキーワードです。