乳牛と酪農を科学する

乳牛と酪農を科学する

乳牛の栄養や酪農システムについて大学教授がつぶやきます

縁をつなげて、諦めない行動力で、大きな成果

出張先の東京。

いつもの宿で朝食をとっているとき、嬉しいメールが届いていることに気がつきました。

 

数年前、私は、十勝で若手獣医師のために栄養学の連続学習会に招かれました。
その時の出会いがきっかけになって、今でもお付き合いが続いている獣医師が何名かいます。

 

そのうちの、ご夫婦で学習会に参加してくれた受講生は、その後札幌でも、食事をする機会がありました。

 

札幌のしゃれたレストランで食事中、奥さん(Yさん)から途上国の酪農支援をするという夢について相談を受けました。

 

その時、私の大学時代の後輩が、農水省の関連機関に属しており、タイを中心に東南アジアで酪農指導や現地での研究を行っていたことを思い出しました。

 

彼女に後輩の連絡先を伝えたところ、すぐさま連絡を取り、具体的な相談に入りました。
その後、後輩の知人の紹介で、Yさんはタイ、ベトナムの酪農事情を視察したとの連絡を受けました。
これだけでもスゴいのですが、今朝のメールでは、今夏インドネシアを訪問したことが綴られていました。


Yさんは、現地の大学教授にお世話になり、酪農視察のみならず、学生たちへの講義も行ったそうです。これらのことが、むちゃくちゃ立派なレポートとしてまとめられ、メールに添付されていました。

朝食をとりながら、長文のレポートを食い入るように読みました。

 

Yさんのスゴいところは、なんと言ってもチャンスを逃さず、つかみ取る行動力にあります。

 

昨日、2015年のラグビー日本代表南アフリカに勝った奇蹟を描いた映画をアマゾンプライムで観ました。

 

エディジョーンズ監督のもと、選手たちは、南アフリカに勝つチャンスが砂粒くらいかもしれないが、ゼロではないと信じ、1500日以上にわたる期間、全力以上の力を出し尽くして準備し、勝利を奪い取りました。

 

「ブライトンの奇跡 The Brighton Miracle」

 

この映画を観ると、南ア戦の勝利は、単なる偶然による番狂わせではなかったことがわかります。筆や舌で表すことのできない努力と、リーチキャプテンを中心とする現場での決断がもたらした、必然の勝利だったのです。(かなりオススメの映画です)

 

今回のワールドカップでも、日本代表はウェールズを破りました。その時、スタンドオフの田村選手が「誰もが負けると思っていただろうが、我々だけは勝つつもりだった」という発言をしていました(しびれました)。おそらく、今回も同様の準備をもって、試合に臨んだのでしょう。映画を観ると、そのことがよく想像できます。

 

Yさんも、2015年の日本代表チームも、チャンスを逃さず、実際に行動することで、夢を現実のものとしました。

 

映画の中で、五郎丸選手が(リーチ選手だったかな)、「無理だと諦めるのは簡単だが、そこには後悔しか残らない」と語る場面があります。

 

わらしべ長者のように、人から人への縁をつむいでいくと、大きな成果を得ることができます。この童話は瓢箪から駒のようなニュアンスが強いですが、今日紹介した二つのケースは、そこに勇気や粘り強さをスパイスすることで、大きな成果を得られることを証明しています。

 

Yさんからの素晴らしいレポート、私だけが読むのはもったいないと思えるクオリティでした。

 

↓カナダで教わってきたサバメシ、カミサン流