ここ最近、弁当ブログのようになっています。
しかも、そちらの方が評判が良いという・・(^^;)
たまには、マジメに酪農のお話しをしましょう。
乳牛の飼料や添加剤(サプリメント)は、様々な製造メーカーが商品化して売り出すためにしのぎを削っています。
さらに、外国で売られている商品を、輸入商社が日本に導入しようと試みてもいます。
いずれにしても、商品化する前に、実証試験をすることが望ましいです。
本当に効果があるかどうか、確認もせずに販売するのは、信用問題に関わります。
パンフレットに、これを食べさせると「健康面が改善しますよ」、「乳生産が増加しますよ」、「(子牛だと)発育が良くなりますよ」といったわかりやすい効果を記載することで、営業をかける際に有利になります。
玉石混交の商品の中で、キラッと光る効果(エビデンス)があると、酪農家も自家牧場の牛に与えたくなります。
ある新商品の効果を確認するためには、大学や試験場に研究を依頼することが最も確実です。
民間の酪農場では得ることのできない、様々なデータを採取できるからです。
私の研究室にも、数多くの企業から研究に関する相談が持ち込まれます。
計画段階で立ち消えになるものから、実際に受託研究という形で実証試験に発展するケースまで様々です。
先日、アメリカの国際学会誌に受理された論文の母体となった研究も、企業とのコラボレーションでした。
私はこれまでに、いくつものプロジェクトに取り組みましたが、いつもプラスの効果が確認できるとは限りません。
その新商品を与えても何ら効果が確認できないといった結果となってしまうことも珍しくありません。
さらに、実験に取りかかる前にも、いろいろとクリアしなければならない課題がある場合もあります。
たとえば、いくら栄養的にすぐれているものでも、嗜好性が悪く牛が食べなければ話しになりません。
あるいは、すぐれた成分を含んでいるが、牛にとって有害な成分も含まれていて、それを取り除かなければ商品化できないといったものもあります。
今年も、私たちの研究室ではいくつかのプロジェクトが進行中です。成果が見えてきたものから、まだまだ構想段階のものまで様々です。
一つ確実にいえることは、商品のパンフレットを見たときに、グラフや表の形で成果が記載されていないものは、眉にツバを塗ってみる必要があるでしょう。
きちんと成果の確認できる飼料や添加剤は、企業としても長い時間と開発予算を投下した、信用できるものといえるでしょう。
↓青いのはミネラル入りの塩。こういった添加剤も開発研究費がかかっているはずです。