NHKの「病院ラジオ」という場組をみました。
サンドウィッチマンの二人が、病院内にラジオ局を構えて、生放送をするという企画です。
アルコール、ゲーム、ギャンブルなどの依存症患者が入院や通院する病院が舞台でした。
サンドのお二人が放送するラジオには、入院や外来で通ってきている「現」または「元」患者さんがゲストで登場します。
アルコール依存症患者さんが、中心で登場していました。
彼らが、真の意味で依存症から「足抜け」できるのは10人いたら、わずか二人だそうです。
実に8割の人が再び手を出してしまうそうです。
それくらい、依存症はやっかいな病気です。
アルコール依存症の方は、「離婚→子供と引き離されて酒におぼれる」というパターンが多かったです。
番組では、子どもに逢いたいと訴える若いお父さんがスタジオを訪れました。
あるいは、通院している自分には、まだ子どもに逢う資格がないという熟年の、子に逢えないお父さんもいました。
子に逢えない寂しさから酒に身をやつした父さんたちの気持ち、僕には本当によくわかります。
僕のときも、理不尽に子どもから引き離されたときは、寂しさで参ってしまい
ました。仕事が終わり、まだ明るいうちから、誰もいなくなった自宅にこもり酒を飲みました。
僕がアルコール依存症にならずに、負の環境から抜け出せたのは、同じバツイチの女性に出会い、娘との面会のために名よりも実を取る地道な取り組みをアドバイスされ、娘との再会を果たせるところまでこぎ着けられたからです。
面会交流が実現して、娘と父親、双方が幸せな時間を共有できるようになって、双方にとって明らかに良い変化が訪れました。
子どもは勉強や日々の生活に、父親も仕事にも家庭にも、集中して取り組める気力が沸いてきたのです。
多くの家庭にとって、親子の面会は効果絶大であることを胸を張って断言できます。
でも、子どもに逢えないで悲嘆に暮れる親(大半が父親)の何と多いことか。
非親権親から子を引き離すことは、百害とは言えないかもしれませんが、95害あって一利なしくらいはいえるでしょう。
僕を救ってくれたバツイチ女性は、今の妻です。
その妻も、息子を別れた夫に面会させ続けてきました。
僕は番組を観て、子に逢えない寂しさから、酒におぼれてしまったお父さんたちに、エールを送りたい気持ちで、涙がにじみました。
子に逢わせないこと、たったそれだけで子を愛する父親の人生は破壊されます。
子の引き離しは、そこまで残酷な仕打ちだということを、多くの方に知ってもらいたいです。
人目に触れる機会の少ない、悩める人生を送っていらっしゃる方々にスポットライトを当てた好番組だと思いました。