何度かこのブログにも登場しましたが、ミャンマー人の元留学生でミンさんという素敵な男性がいます(歳も近く、友人といってもよい大切な存在です)。
彼はとても頑張り屋です。
本学に滞在中の研究成果をまとめた学術論文では、アメリカの最高峰の学会誌であるJorunal of Dairy Scienceに掲載されました。
- M. Aung, H. Ohtsuka, and K. Izumi*. 2020. Short communication: Effect of yeast cell wall supplementation on peripheral leukocyte populations and mRNA expression of cytokines in lactating dairy cows. J. Dairy Sci. 103: 5634-5640.
ミンさんは、日本留学後に、今度は中国に留学し、ルーメン微生物についての研究に取り組んでいました。(留学助成制度には厳しい選抜がかかり、よほど優れた業績がないかぎり採用されません)
そのミンさんが、先月、コロナ禍の中国の留学から、本国に帰国したので近況報告のメールをやりとりしました。それが、つい先週のことです。
僕が写真で送ったスキー場の雪景色をみて「北海道が懐かしい、また必ず日本に行きます」、「コロナが収まったら、ぜひミャンマーに遊びに来てください」というメッセージと二人のメンコイお子さんの写真を受け取りました。
その数日後です、報道でミャンマーで発生した軍事クーデーターの一報が飛び込んできたのは。
早速、彼に心配しているというメールを送りましたが、無事に返信が届きました。
クーデターの中心地に近い大学に住むミンさん家族は、恐怖と不安を抱えているようです。
家族は安全ではあるが、例えるなら、いつ爆弾が爆発するかわからない、そんな緊張感と不満、不安が街なかに充満しているようです。
「子供たちの将来を思うととても心配で、もう2度と軍事政権には戻りたくない。
なぜなら、教育、健康、経済のあらゆることが、軍事政権下では停滞していた。
私たちはスーチーさんを愛しているし、早く戻ってきて欲しい。
スーチーさんを取り戻すためならどんなことでもしたい」
という内容のメッセージでした。
僕にとって、外国の政情不安報道は、これまで何か遠い存在でした。
だけど、どんなところにも幸せに暮らす権利のある人々が生活しています。
今回は、そのことにまざまざと気付かされました。
なんとか速やかに、平和的に解決してもらいたい、切実に思います。
そして、ミャンマーの酪農現場をミンさんに案内してもらいたいです。