乳牛と酪農を科学する

乳牛と酪農を科学する

乳牛の栄養や酪農システムについて大学教授がつぶやきます

コロナで一変した世の中、出張できないメリットも

ニューヨーク州コーネル大学は、酪農の業界では有名です。

その名を日本の酪農業界にとどろかせたのは、CNCPSというルーメン内の栄養収支をモデル化したプログラムを開発したことによります。これが、NRC飼養標準の基礎となり、AMTSやNDSといったエサ設計ソフトのエンジンとなっています。

 

同時に、この大学では酪農関連のセミナーや学会が定期的に、各種開催されています。

このこと自体は数年前から知っていて、参加したいと考えていましたが、なにぶんアメリカ大陸の東海岸ですので、おいそれと訪問することができずにいました。

(今や、いつ外国に行けるかわかりません。チャンスの女神は前髪しかない、の教訓です・・)

 

ですが、昨年来のコロナ禍によって、アメリカ各地のセミナーがWebで開催されるようになりました。


Webといっても、当初はリアル配信が多く、時差もあって参加を見合わせていました。

ところが、今年のコーネル大学セミナーは、録画配信も観ることができるということでしたので、思い切って参加することにしました。


少し値が張るのですが、いくつもあるコースの中から1つをチョイスしてエントリーしました。

 

結論をいいますと、大正解でした。

 

録画配信は何度も繰り返し観れますし、字幕も付いているので、英語が苦手な自分でもじっくり理解することができます。

ついでに、ヒアリングの訓練にもなります。

 

コンテンツは、ルーメン機能、粗飼料、環境負荷、乳生産、脂肪やタンパク質の栄養学・・・など、盛りだくさんです。

 

現在のところ、半分ほど受講が進んでいるのですが、中でも出色だったのは、自分の専門でもあるルーメン機能でした。

 

全く新しい情報に加え、数字の見せ方、スライドのつくり方など、学生や関係者に講義する機会の多い自分にはとても参考になりました。

 

もちろん現地で、リアル授業もエキサイトでしょうが、学びをじっくり深めるという意味ではオンラインセミナーもアリです。

 

これは、外国に限らず、日本語の学習にも言えることでしょう。
どれだけ真剣に受講しても、一度きりの講義では定着する情報は限られます。

金額が張るといっても、アメリカまで出張することを考えるとその10分の一以下でしょうし。

 

まだ、この先のコンテンツも楽しみな内容が続きます。

ここで学んだ情報は、学生の授業や様々な場面で紹介できればと思います。
卒論研究のヒントもたくさん転がっていて、学びの多い機会になりました。

 

追伸 同じ記事が複数回投稿されるという現象に気がつきました。なんか変だな~

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