僕は関西弁を駆使して裏社会を描くのが得意な黒川博行さんの作品が好きです。
彼の作品にはヤクザものやダーティーな警察がこれでもかというほど出てきます。
登場人物に共通しているのは「欲」
彼らは、金になるシノギに対する嗅覚がものすごく、そのチャンスとみるや命がけで金づるを獲りに行きます。
さて、黒川作品では、いろんな分野のヒトたちにスポットライトが当たり、その闇や暗部をあたかも見てきたかのように照らし出します。
京都の仏閣、建築土木業界、結婚詐欺・・・
そ
んな中で、同業者としても興味深く読んだのが、私立大学理事長や経営陣の不正を巡る作品「煙霞(えんか?)」です。
こちら、大学の敷地を売ってマンションを建て、経営陣はそのキックバックをもらうという筋書きです。
これって、今新聞紙上を賑わしている、関東のあの大学の件とそっくりだと思いませんか。
建設コンサルタントがでてくるあたり、黒川作品とそっくりうり二つです。
こんな話し、小説の世界だけだと思っていたら、実際に表沙汰になり大ごとになる事件が発生して、ビックリしています。
黒川作品は、トリックが入り組んでいて、少し複雑なんですが、軽妙な関西弁の応酬が楽しいです。
性善説に生きる清廉潔癖なヒトにはおすすめできませんが、世の中の裏側についても理解のあるヒト、真実(かもしれないこと)を知りたいヒトは、黒川作品をぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。
人を黒白付けることはできないという、僕の尊敬する池波正太郎先生の作品にも通じます。
黒川作品を読むと北新地に飲みに行きたくなりますよ(僕は行ったことがありませんが・・・)。
↓我が家の庭で立派なサツマイモがとれました!