懇意にしている若手酪農家の牛舎新築について検討する場に呼ばれました。
彼らは業者、農協、コンサルタントや何件かの酪農家の意見を参考にプランを練ってきました。
今回の検討会では、普及員や牛舎設計の実績を持ったプロのメンバーが集まりました(僕を除いて(^^;))。
その検討会では、彼らの既存プランについて改善すべき点が次々と明るみに出ました。
ある経験豊富な参加者は次のような事例を紹介してくれました。
「見積もり、図面の段階から、いざ建築に入ると、ほぼ間違いなく1~2割は増額投資が必要になる」
というものです。
建築中の現場で「ここのところをこうした方が良い」となると、「じゃ、お願いね」といった感じで、追加プランが組み込まれるというのです。
これ、よくわかります。
我が家も、住宅を建てたときや、自動車購入の際に、追加のオプションや装備の変更がたびたび生じました。
こういったことを想定せずに、限界ギリギリかちょいオーバーの予算組みをしていると、できあがったときには首が回らなくなります。
牛舎の敷地内のレイアウトも、慎重かつ合理的に考える必要があります。
風、雪、動線、将来の増改築の可能性などを考えると、自ずと配置が決まってきます。
逆に言うと、そのような視点をなしに配置すると、使いにくくて、毎日がおもしろくない牛舎ができあがります。
僕も住宅建設のときに職場の先輩から言われました。
「家と結婚は3回やらないと、本当に良いものができない」と。
結婚はさておき(^^;)、住宅や牛舎など、一生ものの投資はおいそれと3回もやり直せません。
今回のプランも、彼らの経営規模を考えると限界ギリギリの投資になりそうです。
そうなると、失敗は許されません。
牛舎建築という一世一代の投資を失敗せずに乗り切り、ハッピーな酪農人生を歩むには、相当な知識が求められます。
ですが、牛飼いのプロであっても、建築や施設のプロではない酪農家が、独学で一流の域に達するまで勉強するのは実質不可能ですし、その必要はありません。
そこで、今日の本題になります。
お題の答えとしては、牛舎建築に当たっては、プロを頼りなさい、というのが僕の考えです。
そんな人脈ないよ、とおっしゃる向きもあるでしょう。
ですが、そんな方も心配の必要はありません。
地域には普及センターという公的機関があります。
技術アドバイザーや人脈を持った系統組織はたくさんあります。
とにかく、相談です。
僕の大好きな報連相の相談ですね。
相談すると道は開けます。
95%くらいの確率で。。。
ぜひ相談しましょう。
今回の若手酪農家は、いくつもの選択肢を手にしました。
それらの選択肢を採用するも、参考程度に聞き流すも、本人の自由です。
仮に聞き流したとしても、そういったリスクを知った上で前に進むのと、フタを開けてみて想定外の困難にぶつかるのとでは大きな違いがあります。
身の丈に合った、その上で、牛も経営者もハッピーになれる最高の利潤を生み出す牛舎を建ててもらいたいです。
↓掃除するので2匹でちょっと待っていてください