僕は、この春からフィールドセンター長という任につきました。
昔でいうところの附属農場長です。
役職を命じられる際に、大学当局からは様々なミッションを与えられました。
僕は、大学に勤めて26年になりますが、その間、一貫して農場教員あるいは農場関連教員として近いポジションで仕事をしてきました。
そのため、農場のダメなところは目に付いているのですが、具体的にどこから手を付けて良いのか、なかなかイメージが湧かずにいました。
そんなとき、研究仲間のS教授がH大学の農場長の任にあることを思い出しました。
同じ大学農場ですし、一度話しを聴かせて欲しいと相談したところ、快くいつでもおいでと言ってくれました。
そこで、昨日、彼の元を訪れてミーティングにお付き合いいただきました。
多忙の彼ですが、長時間、僕からの質問に答えてくれました。
根掘り葉掘りと聞いてきましたが、快くH大農場のシステムを教えてくれました。
H大農場は、一般の生産牧場と比べても遜色のない、トップクラスの成績を上げていました。
どこに、その秘訣が隠されているかということが気になって、僕が発する質問は途切れることがありませんでした。
他大学の附属農場の様子を聴いて、本学農場も大いに参考になるところがたくさんありました。
本学農場は新旧の施設が入り交じっています。
古い施設は更新しないと手の付けようがないと思っていましたが、運営面でいくらでも改善のヒントがあることに気がつきました。
「そんなところに改善の目があるのか!!これなら明日からでも取り組めるじゃないか!」
ということが無数にあったのです。
毎日のようにその場にいると、自分たちのやり方に疑問を感じなくなってしまうのですね。
コロンブスの卵的な、簡単なことなのに、自分では気がつかない。
マンネリに陥っていたことになります。
今回は、実際に教えを請うためにフットワーク軽く、訪問することの大切を再認識しました。
机の上で悩んでいるだけでは、いつまでもクリアにならないことが、半日のミーティングで雲散霧消したのです。
得がたい、良い教訓となりました。
マンネリ問題は、農業組織以外でも当てはまるでしょう。
ビジネスの場だけではなく、教育、家族、夫婦、親子、人が複数集まるところでは全てにおいてマンネリズムが浸透していき、改善の可能性に気がつかなくっていくのかもしれません。
ですが、やはり毎日単調な作業の繰り返しに終始しがちな酪農場では、その傾向が顕著かもしれません。
僕の任期は3年間。
この3年で、どこまでやれるか楽しみです。
大学というと柔軟性に欠けた保守的な組織をイメージしていましたが、H大学は進取の気性に富んだスピード感のある組織でした。
本学農場も見習っていきたいです。
↓毛が伸びすぎのミカンちゃん