乳牛と酪農を科学する

乳牛と酪農を科学する

乳牛の栄養や酪農システムについて大学教授がつぶやきます

美しい理論と現実のギャップ

先週、酪農関連団体の飼料設計研修会に招かれて講師兼アドバイザーを務めてきました。

受講生はその団体の若手~中堅スタッフでした。

 

自分自身は受講生ではないのですが、現地の大規模酪農場をつぶさに観察でき、研修では懇意にしてもらっているKコンサルの指導に触れることができ、僕自身大いに学びを深めることができました。

 

週明けの今日は、ゼミ生との演習がありました。

テーマは、都府県と北海道の酪農経営を比較するという内容でした。

 

研修会と演習、両方を通じて感じたことがあります。

 

若手のビジネスパーソンや学生は、身につけた理論で話を進めがちだなーということです。

 

例えるならば、A=B、B=C、ゆえにA=Cみたいな美しい流れで考えがちだということです。

 

僕ぐらい歳をくって、現場経験も長いと、酪農システムもウシのルーメンも理屈通りに行かないことを知っています。

黒でもなく、白でもなく、境界の曖昧な灰色部分も小さくないことを経験として身につけています。

 

そんなわけで、研修会や演習でコメントできるときには若者たちの頭の中を掻き回して、良い意味で「混乱」させてあげるように心がけています。

そうやって、彼らの酪農脳ミソをぐるぐると渦巻くようにかき混ぜてあげることで、新しい発想法が身についてくれるかなと期待しています。

 

この手法は、大師匠のMさんに教わりました。

僕自身、Mさんに幾度となく頭の中をかき混ぜていただき、酪農システムやルーメンシステムの多様な見方を学びました。

 

酪農にマニュアルはなく、だからこそ楽しいと語ったのは僕が実習生として働いていた牧場の親方です。

今後も酪農の多様な魅力を若者たちに伝えていきたいです。

 

↓いつも仲良し、ナルちゃん&ドンちゃん