今日は、これから台湾人の友人と食事をするので、短めの更新です。
彼は日本通なので、いつもの焼き鳥や刺身ではなく、教え子が経営しているワインとカレーの店をチョイスしました。
ワインということで、フランスで考えさせられたことがあるので、その点について今日は紹介します。
※今日の内容は私と案内してくれたフランス人の会話から得た考察なので、見当違いの可能性があるかもしれません。あしからずご了承ください。
私が訪れたトゥールーズはかの有名なボルドーからそれほど離れていません。フランス南西部に位置する都市です。
ボルドーを二分するガロンヌ川はトゥールーズにも流れています。
ボルドーはなんと言っても赤ワイン。それも、長期熟成してこそ価値を発揮するタンニンたっぷりのフルボディワインが定番です。
今回、ボルドーで働いていたことがあるというフランス人と食事をともにし、フォアグラを食べる機会がありました。
私は知りませんでしたが、トゥールーズをはじめとしたフランス南西部はフォアグラの産地だそうです。フォアグラはご存じ、太らせたアヒルの肝臓(レバー)で、フランスの伝統的な食材です。
脂肪の乗ったレバーなので、ねっとり濃厚な食味がたまりません。
その夜、フォアグラに合わせたワインは、ボルドーのお隣にあるAOCのペシャマン(Pecharmant)の赤ワインでした(ペシャルマンとは発音しません)。
トゥールーズでは、ご当地ワインということで広く飲まれているそうです。ボルドーと同様に、ずっしりした飲み応えのあるワインで、フォアグラの旨みたっぷりのアブラを心地よく混和して、のどの奥に流し込んでくれます。
私のような無骨者が言うのも恥ずかしいですが、まさに絶妙なマリアージュでした。
フォアグラとフルボディのワイン、この組み合わせがあるから重たいワインが発達したのではないかと私たちは話し合いました。
ある地域で、特徴のある食材や酒が独自に発展するのには、それ相応の合理的な理由があるに違いありません。ことの信憑性は定かではありませんが、こういった考察を楽しむのも現地の食とアルコールの楽しみです。その一部分あるいは片方のみを味わっていても、文化的、歴史的な本質を理解できるとは限りません。
「答えは現場にある」ではありませんが、現地に足を運ぶことでわかる楽しみを実感した夜でした。
なお、畜産屋として、フォアグラとアニマルウェルフェアの話にもなりましたが、今日の話題には野暮なのでまた後日。