乳牛と酪農を科学する

乳牛と酪農を科学する

乳牛の栄養や酪農システムについて大学教授がつぶやきます

酪農経営

ラジオ配信というおもしろいツールがあります

今朝は寒が戻りました。 雪の札幌です。 日差しを浴びるとすぐに消えてなくなりそうな春の雪です。 最近の我が家の話題の1つに、日本の将来があります。 人口80万人割れという驚愕の少子化、人口減少社会について、最近、カミサンと憂うことが多くなりました…

牛舎を新築するときに大切なこと

懇意にしている若手酪農家の牛舎新築について検討する場に呼ばれました。 彼らは業者、農協、コンサルタントや何件かの酪農家の意見を参考にプランを練ってきました。 今回の検討会では、普及員や牛舎設計の実績を持ったプロのメンバーが集まりました(僕を…

今、このタイミングで、酪農家が牛舎を新築するには

懇意にしている酪農家が搾乳ロボット牛舎を新築する計画があると相談を受けました。 その件で、幅広い専門家を招いて検討会をするということで、僕も呼ばれました。 検討会に招かれたのは、僕の他には、牛舎設計のプロ、飼料設計から酪農経営まで幅広い守備…

首都圏の酪農事情を学んできました

東京に隣接した首都圏の獣医師の勉強会に呼ばれてセミナーをしてきました。 それに先立ち、近隣の酪農場6戸を見学させていただきました。 土地が豊富で自給粗飼料を利用する北海道酪農とは異なり、ほぼ完全他給(全て購入飼料)の経営がほとんどでした。 一…

首都圏の酪農事情を学んできました

東京に隣接した首都圏の獣医師の勉強会に呼ばれてセミナーをしてきました。 それに先立ち、近隣の酪農場6戸を見学させていただきました。 土地が豊富で自給粗飼料を利用する北海道酪農とは異なり、ほぼ完全他給(全て購入飼料)の経営がほとんどでした。 一…

牛乳の流通、その摩訶不思議な仕組み

先週で子供たちは終業式。 今週から、学乳といって、給食用の牛乳が不要になります。 さらに、ここ数年の乳生産の増量のかけ声の下、生産量も右肩上がりで上がってきており、牛乳が余り気味になってきました。 そんなわけで、北海道では乳製品が過剰在庫とな…

対面での学び 内地型酪農視察と研究打合せ

今週は、少し長い出張でした。 コロナ騒動以来、初の津軽海峡超えです。 前半は群馬県の酪農場を視察し、後半は東京で研究打合せやJGAPの研修を受けてきました。 群馬の酪農視察のメインテーマは、内地型酪農の飼料給与法について学ぶことでした。地元で活躍…

同じ酪農とは思えない! カナダのヤギ酪農

今夏のアルバータ大学訪問。教授の大場先生に案内いただき、ヤギ農場を訪問しました。 カナダ西部のカルガリーから北に数時間走ったところにある農場でした。 この農場では、520頭のヤギからミルクを搾り、出荷しています。また、自農場でチーズ製造もしてい…

都市部でがんばる、たくましい酪農家を訪問

昨日から、学生、お隣の研究室のD助教とともに、兵庫県の酪農家とTMRセンターの視察に出張しています。 今回は、兵庫県の山間部に位置する町々を訪問しました。こちらは、鹿やイノシシが畑を荒らす地区だそうです。 春先に本学でサイレージの学習会を開いた…

1人でも80歳まで牛飼いをできる牛舎

とても素敵な牧場を見学してきました。 別海町でご両親と後継者の3人で経営している酪農場です。 経営者のKさんは、私よりもだいぶ若い方で、独特なアイデアを実現しているとても魅力的な方でした。 育成牛や乾乳牛はご両親が管理していて、約100頭の搾乳牛…

ウガンダ人から、ウガンダ酪農について学びました

今日、ウガンダから本学に来校していた酪農家、酪農獣医師のみなさんに対して講義をしました。 受講生が3人、通訳を交えて5人という少人数の学習会だったので、横道にそれながら和気あいあいと、活発に終えることができました。 ちなみにウガンダという国、…

酪農と電気の話し

先週、北海道を襲った大地震。 未だに余震が続いており、1日何度かビクッとします。 スーパーには、相変わらず空っぽの陳列棚があります。 さて、今回は地震の被害も重篤でしたが、ひょっとしたらそれよりも停電の方が影響を受けた人口は多かったのではない…

巨大酪農団体と自由を求める酪農家

「ガイアの夜明け」が、またやってくれました。 昨夜、またまた、「ガイアの夜明け」が一石を投じる番組を放映しました。 2018年8月14日放送 巨大規制に挑む!~バターの闇 新たな戦い~|日経スペシャル ガイアの夜明け : テレビ東京 酪農家は、自分の所有…

酪農の経営について考える実習

先週も紹介しましたが、今日も乳用家畜飼養学実習がありました。今日の内容は、酪農場の収支を考えるというものです。 私は農業経済学者ではないので、経営について詳しいことはわかりません。そこで、農場の経理担当の職員にもサポートを頼み、本学農場をモ…

牛は財産

昨日、4年生向けの実習で、酪農の収入について、実際に大学農場を対象に調査しました。 その中で、バカにならない数字となったのが、牛の個体販売による収入です。 酪農場には、ご存知の通り、メス牛しかいません。オスは、ミルクを生産しないからです。 し…

酪農ヘルパーという仕事について、生の声を聴いてきました

ホント、ここ最近の北海道は凍れます。 毎日が冷凍庫。 今日の江別は日中でも、マイナス6度でした! さて、明日は、酪農ヘルパー講習会の講師です。 今日は、実際に酪農ヘルパーとして現場で働く受講生や事務局の先生と、顔合わせの場がありました。 今回の…

酪農現場で輝いている女性たちから元気をもらう! ~酪農女性サミット2017に参加して~

酪農女性サミット2017というイベントが札幌で開催されました。 100人以上の参加者で、4分の3が女性というイベントでした。 私は、本学に勤める20年前に酪農場で実習生として勤務していました。 私の牧場の親方は先進的な考えの持ち主でしたが、農村には「男…

今年も台風の被害:道内酪農

今日は娘と夕食をともにしました。 図書館で娘の本を借りた後に、近くのパスタのお店で食事を摂りました。ついでに、お店で宿題も一緒に片付けました。料理が来る少しの待ち時間に宿題を片付けようとする小4の娘。良くできた娘に、父は感心させられました。 …

フランスで感じた牛が感じるストレスについて:牛のニーズは、農家のニーズ

フランスから戻りました。短期間でしたが、フランス人の食やワインについて、酪農産業について、研究に対する取り組み方について、多くの気づきがありました。 これから少しずつアウトプットしていきたいと思います。 まずは牛への接し方、居住環境あるいは…

乳牛はなぜ夏バテするのか?:第一胃と発酵熱の関係

今日の札幌の最高気温は何度だったのかな。28度くらいでしょうか。ここ最近は乾燥しているので、暑いながらも過ごしやすいです。 さて、乳牛が夏バテをする話しをここ最近何度かしてきましたが、一般には20℃を超えるとウシは暑熱の影響を受けるといわれてい…

ヨーグルト人気と暑さで牛乳が不足:酷暑は牛にも酪農業界にも厳しい問題

今日は中学校の三者面談でした。 妻と長男からその様子を聞きましたが、あまり景気の良い話を先生の口から聞くことはできなかったそうです。 北海道では中高一貫の私立学校というのはほとんどありません。公立高校を選ぶのが一般的。私は地元の行きたい高校…

乳牛は何歳まで生きるんですか?:ウシの寿命は生産年齢

私は小学生のような子供たちに酪農についての講義をするときがあります。そのときに良く出る質問の一つに、ウシの寿命があります。「ウシは何歳まで生きるんですか?」 実は、酪農を専門とする大学教授の私ですが、この答えを実感として持っていません。今日…

自分の牛乳は自由に売りたい:若手酪農家の挑戦(ガイアの夜明けを観て)

昨夜は空手教室、平日夜の部に行ってきました。いつもは次男の付き添いで子どもの部なので、いささか物足りない練習です。昨夜は成人の部ということもあり、とても刺激に満ちた時間になりました。今後も汗をかきに週1で通おうと思った次第です。 さて、21時…

牧草の収穫から考える:人の意見に流されることのメリット

道央圏でも、牧草の収穫が始まりました。 写真は本学圃場の今日の様子です。向こうに見えるのはサイロの形をしたバス停です(^^) 以前も書きましたが、北海道では牧草の収穫は同一圃場から年に2回というのがメジャーです。今回は1番草です。 dairycow2017.hat…

お米をウシのエサに?!飼料米という制度

みなさん、おばんでした。 楽しい週末を過ごせました。睡眠時間も十分で1週間の疲れを心身ともに取り除くことができた気がします。運動会が実施されたのかどうかだけが気になりますが。。。 明日から長男は宿泊研修で旭川方面。 私は仕事で帯広です。 一昨日…

牛の糞尿から電気を作る?!:バイオガスプラントのお話し

今日はこれから東京出張です。統計処理の講習会に参加してきます。午後から実習担当があったので、18時半発のフライト。晩ご飯は、奥さんが持たせてくれた愛情たっぷりのおにぎりを機内でいただきます(^^) バイオガスプラントとは 再生可能エネルギーという…

冷凍牛乳販売へ

みなさんおばんです。 4歳の次男、時たまおかしな言葉をしゃべりますが、今のトレンドワードは「トランプ大ひょう領(大統領)」です(^^) トランプ大ひょう領はフライドチキンやポテトが好きなのを知って、彼もアメリカに行きたいそうです。。。 さて、冷凍牛…

北海道の酪農家戸数は5,650戸

みなさまおばんでした。 今日は冷たい雨が結構な勢いで降り続いた1日でした。 しばらく焚いていなかった我が家の暖房も久しぶりに稼働中です。 ↓南フランスのアルルで飼われている闘牛用の雄ウシ カマルグ牛 酪農スピードニュース4月18日付によると、「平成2…

牛の世界も少子化 海外から牛を輸入する話し

1ヵ月ほど前に、卒業生から電話がありました。 彼の実家(酪農家)の従業員を探しているという話しがメインでしたが、後半の雑談でホルスタインの若牛の買い付けにオーストラリアに行ってくるという話題が出ました。 仲間内の牧場と共同で、船で数百頭運んで…

乳牛の世界も少子化で悩む?!:初妊牛の市場価格の暴騰

おばんです。 今週末は出張から戻り、久しぶりにのんびりできました。学会の準備やキリキリする出張を終えてグダっとなりました。妻からのご褒美で、昨夜は近所の居酒屋で夕食。ささやかな打ち上げです。 今日から新年度がスタートです。年度末に積み残した…