乳牛と酪農を科学する

乳牛と酪農を科学する

乳牛の栄養や酪農システムについて大学教授がつぶやきます

酪農業界

台湾で考えました

僕には台湾人の親友がいます。 彼は本学で博士号を取得し、本国に戻って酪農の飼料会社に勤めています。 今では、台湾の配合飼料生産量のおよそ半分を生産する大企業の重役にまでなっています。 年明けに、彼に案内してもらって、酪農を含めて台湾の経済状況…

牛乳応援ラジオ特番に出演します

年末もだいぶ押し迫ってきました。 今日はクリスマスイブ。 皆さんのお宅にもサンタが幸せを運んできてくれることでしょう。 我が家の小5のムスコ君、去年までの「サンタさんに何頼もうかな♪」というメンコイ少年から一転して、「父さん、今年のクリスマス何…

農福連携と酪農のマッチング 障害者の雇用

知的障害を持つ方たちの就労場所については、保護者の方にとって切実な問題です。 僕の周りにもそのようなお子さんを持つ親御さんがいて、悩みを耳にする機会があります。 同僚のY教授は、畑作物の栽培を専門にしていますが、農業生産の現場で知的障害者の就…

日本経済とコンフォートゾーン

年末年始の休みに、我が家のワンコ写真記録簿としてインスタグラムを始めました。 身内がみんなで見られるように作ったものなので公開の予定はありませんが。。。 このことで何をいいたいかと申しますと、新しいことにチャレンジすること、すなわち自分のコ…

農業にも当てはまるドラマ「ファーストペンギン」

我が家では連続ドラマを晩ご飯時に家族で見るのが定番になっています。 今年のイチオシはなんと言っても「鎌倉殿」 もう、あと数回で終わってしまうかと思うと、名残惜しいです。 権力にしがみつきたい人間がこれでもかというほど登場しては消えていきました…

事務方力を磨く

10月、11月と本州の酪農場で現地検討会(バーンミーティング)をする機会が連続してありました。 バーンミーティングとは、単純な視察とは異なり、酪農場の経営や生産のデータを用意いただき、それを頭に入れた上で現地を訪問し、課題抽出と対策提示をするも…

今、このタイミングで、酪農家が牛舎を新築するには

懇意にしている酪農家が搾乳ロボット牛舎を新築する計画があると相談を受けました。 その件で、幅広い専門家を招いて検討会をするということで、僕も呼ばれました。 検討会に招かれたのは、僕の他には、牛舎設計のプロ、飼料設計から酪農経営まで幅広い守備…

牛乳の流通、その摩訶不思議な仕組み

先週で子供たちは終業式。 今週から、学乳といって、給食用の牛乳が不要になります。 さらに、ここ数年の乳生産の増量のかけ声の下、生産量も右肩上がりで上がってきており、牛乳が余り気味になってきました。 そんなわけで、北海道では乳製品が過剰在庫とな…

朝食で牛乳飲み比べごっこを楽しみました

テレワーク&休校なので、朝食は家族でゆったり摂ることができています。 せっかくなので、カミサンと相談をして牛乳飲み比べごっこを企画しました。 飲み比べごっこは、先日の朝食です。 右は普通の高温殺菌牛乳、左は中温(正式には高温)殺菌牛乳です。 …

小中高の一斉休校と酪農業界の深い関係

昨日から、我が家の次男、小学校が休みになりました。 次男は大喜びですが、妻はゲンナリです。 次男は、まだ1年生なので、1人で日中過ごすことは難しいです。 共働きの家庭では、たいそうお困りのことと察します。 さて、休校で困るのは家庭だけではあり…

商品開発の難しさ:酪農関連の飼料や添加剤の場合

ここ最近、弁当ブログのようになっています。しかも、そちらの方が評判が良いという・・(^^;) たまには、マジメに酪農のお話しをしましょう。 乳牛の飼料や添加剤(サプリメント)は、様々な製造メーカーが商品化して売り出すためにしのぎを削っています。 …

SDGs:バイオガスプラントの原料と発電

先日の北海道新聞に「別海に牧草バイオ発電所」という記事が載りました(4月4日付)。 別海に牧草バイオ発電所 地元企業など建設 サイレージ原料:どうしん電子版(北海道新聞) これは、なかなか画期的なことだと感じました。 まずは、バイオガス発電という…

牛乳を加工、販売する企業 乳業メーカー

日本畜産学会が神奈川県の麻生大学で開催されました。 毎年3月に開催される学会で、研究のヒントや人脈作りなど、研究者にとっては学びの多いベントです。 今年は、乳業メーカーについて知る機会が二つありました。 一つは、我が家でも宅配をとっている、明…

生産者、消費者、それぞれの立場からみた乳価

乳価の上昇が止まりません。 我が家では、小柄なムスコのために、妻がカルシウム強化の宅配牛乳をとっています。 先日、宅配牛乳の牛乳と一緒に値上げの案内が同封されていました。 案内文によると、1本当たり4円の値上げということです。1本180mlで、4円の…

日本の近隣諸国に超巨大酪農場が乱立

2019年2月6日付の酪農スピードニュースが「ベトナム最大のギガファームは生産量20万㌧」と報じました。 この牧場では、4万頭の乳牛が飼われ、1日500トン(年間18万トン)の牛乳を生産するそうです。20万トンの牛乳出荷が当面の目標だそうです。 何から何ま…

スマート酪農による牛群管理

明後日1/23は大学の卒論発表会があります。今年の私の研究室では、4課題の卒論発表があります。 テーマの一つにスマート酪農に関するものがありますので、今日はその紹介をいたします。 乳牛群を適切に管理するためには、様々な情報を整理、集計する必要があ…

A2ミルクを知っていますか??

牛乳を飲むと便が軟らかくなる人がいます。私はそういった症状はありませんが、日本人を含む、アジア系の人々に多いことが分かっています。 これは、牛乳に含まれる、乳糖という成分が関係しています。乳糖は、普段口にする砂糖と似た形をした糖の一種です。…

停電対策と生乳の流通

卒論実験に時間を取られすぎて、週一の更新ペース。 忘れ去られないように、たまには更新しましょう。 先月の北海道を襲った大地震。 ブラックアウトによって、あらゆる流通がストップしました。 酪農業界でも、ご多分に漏れず、電気がないことから搾乳がで…

酪農と電気の話し

先週、北海道を襲った大地震。 未だに余震が続いており、1日何度かビクッとします。 スーパーには、相変わらず空っぽの陳列棚があります。 さて、今回は地震の被害も重篤でしたが、ひょっとしたらそれよりも停電の方が影響を受けた人口は多かったのではない…

新しい技術、さっと使えるとヒトと、相手にしないヒト、その差は大きいです

先日、私の研究室の卒業生が突然(本当に突然)遊びに来てくれました。どれくらい突然だったかというと、自動車で3人やってきたのですが、その日の日の出前に訪ねてきて、いきなり大学に向かうことに決めたそうです(^^;) 卒業して10年目の教え子たちです。お…

巨大酪農団体と自由を求める酪農家

「ガイアの夜明け」が、またやってくれました。 昨夜、またまた、「ガイアの夜明け」が一石を投じる番組を放映しました。 2018年8月14日放送 巨大規制に挑む!~バターの闇 新たな戦い~|日経スペシャル ガイアの夜明け : テレビ東京 酪農家は、自分の所有…

ホルスタインのオス子牛がいなくなる?!

酪農業界の新技術に、「雌雄判別精液」というものが、あります。 牛の世界では、乳牛でも、肉牛でも、メス牛を妊娠させるためには、人工授精が主流です。その他に、受精卵移植という技術も普及しています。 人工授精とは、発情したメス牛に、凍結保存したオ…

先細りの都府県酪農と、酪農に燃える学生たち

北海道新聞の、昨日(2018/03/05)の一面記事は、酪農業界に関するものでした。 「道産生乳移出増 40万トン超」という、記事です。 www.hokkaido-np.co.jp 酪農情勢に日々触れている業界関係者にとっては常識ですが、北海道から大量の牛乳が、本州に大量に送…