乳牛と酪農を科学する

乳牛と酪農を科学する

乳牛の栄養や酪農システムについて大学教授がつぶやきます

国際情勢

台湾で考えました

僕には台湾人の親友がいます。 彼は本学で博士号を取得し、本国に戻って酪農の飼料会社に勤めています。 今では、台湾の配合飼料生産量のおよそ半分を生産する大企業の重役にまでなっています。 年明けに、彼に案内してもらって、酪農を含めて台湾の経済状況…

ミャンマー人から聞いた中国の大学の底力

先日、タイのバンコクでミャンマー人の友人ミンさんと会ってきました。 彼はミャンマー獣医科大学の准教授をしていますが、現在はタイに滞在中で、今を逃すといつ逢えるかわからないということでの対面でした。 お互いの研究についての情報交換をしました。 …

ウクライナ危機と家畜飼料の関係

オルテック・ジャパン社が定期配信しているニースレター『オルテック・アップデート』があります。 今日(3月7日)配信の号に、ウクライナ・ロシア紛争とヨーロッパの家畜飼料についての考察が掲載されていました。 ************オルテック・ア…

オーストラリア人とガチで切った張ったの知的応酬をしました

ひょんなきっかけでオーストラリアの栄養学者チームと輸入乾草の品質についてのディスカッションをすることになりました。 自給粗飼料を中心に扱ってきた自分ですので、相手側からしたら役不足かなと思いながら、軽い気持ちで受けました。 一度ミーティング…

オーストラリア人とガチで切った張ったの知的応酬をしました

ひょんなきっかけでオーストラリアの栄養学者チームと輸入乾草の品質についてのディスカッションをすることになりました。 自給粗飼料を中心に扱ってきた自分ですので、相手側からしたら役不足かなと思いながら、軽い気持ちで受けました。 一度ミーティング…

ミャンマーの友にメールを送りました

先日、サッカーのワールドカップ予選が日本で行われました。 日本代表とミャンマー代表の試合です。 テレビニュースではサッカーの試合に加えて、国軍に対するデモが行われたことなど、政治がらみの報道もなされました。 何度かこのブログでもお伝えしていま…

自粛、自粛と言われても、ワクチンあればと嘆き節

肌寒い日が続きますが、札幌では桜が満開、GWに心はワクワクしています。 我が家は、2月にシーズーとヨークシャーテリアの雑種犬ミカンが来たので遠出はせずに控えめな連休です。 そんな中、札幌では5日にオリンピックマラソンのプレ大会が開催されます。最…

自粛、自粛と言われても、ワクチンあればと嘆き節

肌寒い日が続きますが、札幌では桜が満開、GWに心はワクワクしています。 我が家は、2月にシーズーとヨークシャーテリアの雑種犬ミカンが来たので遠出はせずに控えめな連休です。 そんな中、札幌では5日にオリンピックマラソンのプレ大会が開催されます。最…

海の向こうの国の友を思う

僕には二人の外国人の友人がいます。 一人は台湾人の林さん、もう一人はミャンマー人のミンさんです(どちらもあちらの国では大勢いる名前です)。 二人とも、本学の留学生で、在学中は研究の指導をするとともに、プライベートでも楽しく過ごした仲です。 こ…

海の向こうの国の友を思う

僕には二人の外国人の友人がいます。 一人は台湾人の林さん、もう一人はミャンマー人のミンさんです(どちらもあちらの国では大勢いる名前です)。 二人とも、本学の留学生で、在学中は研究の指導をするとともに、プライベートでも楽しく過ごした仲です。 こ…

風が吹けばタンカーが座礁し、畜産業界は大混乱?!

スエズ運河のタンカー座礁問題、ぱっと見、中東のアクシデントなので石油が輸入できなくなったら大ごとだ!と感じます。(僕もそうでした) その視点を畜産業化に向けてみると、ことはそれだけではない大ごとだということがわかってきます。 つい先日、エサ…

身近な問題、ミャンマーの軍事クーデーター

何度かこのブログにも登場しましたが、ミャンマー人の元留学生でミンさんという素敵な男性がいます(歳も近く、友人といってもよい大切な存在です)。 彼はとても頑張り屋です。本学に滞在中の研究成果をまとめた学術論文では、アメリカの最高峰の学会誌であ…

アメリカの酪農学会と人種差別問題

アメリカでは、白人警官の黒人市民への暴動が大きな問題に発展しています。そのような中、僕が所属するアメリカ酪農学会のプレジデント(会長)から、電子メールが届きました。 「Special Message from ADSA President」という声明文です。 内容を抜粋すると以…

隣国のコロナ対策の早さと家畜防疫の関係?

毎日恒例となったコロナ報道。 報道をみていると、コロナ対策に関して、各国の状況がレポートされています。 なかでも、韓国や台湾の対応の素早さや徹底的な対策が高評価されているように見受けられます。 当初、韓国の大量のコロナ感染者数の増加を冷ややか…

のんびりな週末、アメリカの危機管理、走り回る子供たち

今日はアラカルトでつれづれに。 ・テレビの情報番組に食傷気味 僕は週末が大好きです。 カミサンと買い物に行ったり、子どもと遊んだり、グダーっとしたり。 ですが、ここ数週間は、外に出るのも気が引けるので、家でのんびり週末を過ご巣ことが多いです。 …

ヨーロッパにおける畜産物生産に対する動向

世界的な巨大飼料メーカーのセミナーがありました。 セミナーでは、いくつものトピックスがありましたが、家畜飼料への抗生物質の添加状況の国際比較と、ヨーロッパにおける畜産物に対する消費者の考え方についての話題が興味深かったです。 家畜飼料への抗…

ウガンダ人から、ウガンダ酪農について学びました

今日、ウガンダから本学に来校していた酪農家、酪農獣医師のみなさんに対して講義をしました。 受講生が3人、通訳を交えて5人という少人数の学習会だったので、横道にそれながら和気あいあいと、活発に終えることができました。 ちなみにウガンダという国、…

BS世界のドキュメンタリー「爆弾処理兵 極限の記録」

最近はまっている「BS世界のドキュメンタリー」、昨夜もを観ました。 www.nhk.or.jp 私が、チャンネルを合わせたのが番組開始後少し立ってからでしたが、そこには壮絶な映像が流れていました。 イラクのモスルという街ではISとの戦争が激化しており、ISが街…

日本の近隣諸国に超巨大酪農場が乱立

2019年2月6日付の酪農スピードニュースが「ベトナム最大のギガファームは生産量20万㌧」と報じました。 この牧場では、4万頭の乳牛が飼われ、1日500トン(年間18万トン)の牛乳を生産するそうです。20万トンの牛乳出荷が当面の目標だそうです。 何から何ま…

プラスチックゴミの輸出ができなくなると

私は学生時代、「東京に原発を」(広瀬隆著)という本を読んだり、反原発を唱えていた高木仁三郎氏の講演会に参加したりしていました。 その時に、原発から排出される核のゴミ(プルトニウム)をフランスやイギリスに輸出していることを知りました。 自国で…

ルーメンアシドーシスに関する最新研究

今回の国際学会は、ISNH2018という学会でした。日本語にすると、国際草食動物栄養学会ということになるでしょうか。 メインテーマは、ウシ、ヒツジなどの草食家畜の栄養学です。 私の専門に関するところで、発表題数の多かった話題は次のような感じです。 ・…

豚肉の賞味期間に変化

豚肉には、消費期限があります。これは通常3日程度で、特殊な衛生技術を用いる場合で、6日程度となります。 日本農業新聞 - ロングライフ化進む 精肉販売 付加価値販売で消費増へ 産地・スーパー 制菌作用高めて鮮度維持 ちなみに、ウィキペディアによると、…

畜産物とマーケティング 売り方次第で、何でもばける

昨夜の未来世紀ジパングは、牛肉特集でした。中国や東南アジア諸国で、牛肉の消費が急増しており、それにともない日本でも牛肉の価格が上昇しているという内容でした。 番組の内容は、やや一面的な切り口で、専門家からするとツッコミどころが随所にみられま…

真実は藪の中:報道を別の角度から観てみると

このブログでミャンマー人留学生のミンさんの話を何度かしてきました。今月初めに農水省主催の表彰式に夫妻で訪日するので旧交を温めてきました。 そこで興味深い話を聴きました。 ミャンマー政権と少数民族ロヒンギャについてです。 日本の報道(世界中?)…

2017フランス出張:新千歳発、インチョン経由、シャルルドゴール着(大韓航空)

パリに来ました。朝6時半です。寒い!そして、暗い!また、夜です。サマータイムの影響もあるのか、9月中旬のパリは陽が昇るのがとても遅いです。 今回のフランス出張ですが、パリでは市場を視察して、出張の本題はフランス南西部のトゥールーズの企業が保有…

ヨーグルト人気と暑さで牛乳が不足:酷暑は牛にも酪農業界にも厳しい問題

今日は中学校の三者面談でした。 妻と長男からその様子を聞きましたが、あまり景気の良い話を先生の口から聞くことはできなかったそうです。 北海道では中高一貫の私立学校というのはほとんどありません。公立高校を選ぶのが一般的。私は地元の行きたい高校…

悩ましい問題:日欧EPAによる関税問題と我が家の晩酌事情

北海道もようやく暑くなってきたと思ったら、蒸し暑い日が続きます。 ある気象予報士のコラムでは、近年は北海道も梅雨っぽい気候が観られるようになってきているそうです。しかし、内地の梅雨と比べると、降雨量も少なく湿度も高すぎるわけではないので「梅…

プロシューマーがこれからの畜産業界をリードする:中国養鶏事情

私はビジネス、業界関係のメールマガジンをいくつか購読しています。その中で、畜産に関する興味深いトピックスがありました。 オルテック・アップデート(2017年5月30日)【中国でのプロシューマ―の出現とそれが家きん生産に与える影響】 というものです。 ネ…

地球規模の食について考える:アメリカの隠れた飢餓_下(ナショナルジオグラフィック)

おはようございます。珍しく朝からの更新です。今日はこれから帯広に向かい、若手獣医師対象のの栄養学セミナー第2弾です。 今は移動の待ち時間中です。 京急のアクシデントに巻き込まれる 昨夜の東京からの帰路、大変な目に遭いました。 セミナー修了後、京…

地球規模の食について考える:アメリカの隠れた飢餓_中(ナショナルジオグラフィック)

最近はまっているもの 私は最近、ラジオの英会話放送にはまっています。妻が英語の学習を再開したようで、家のラジオがNHK第2にチューニングされていることが多いのです。 そんな妻に影響を受けのと、ホリエモン氏の移動中の隙間時間を使って仕事をするとい…