乳牛と酪農を科学する

乳牛と酪農を科学する

乳牛の栄養や酪農システムについて大学教授がつぶやきます

粗飼料

粗飼料生産の効率化と品質向上:アメリカ編

アメリカの酪農研修に参加しています。 会場となっているのは、我々業界人にとっては、その名がとどろくウイリアムマイナー研究所です。 論文や海外の酪農情報で目にする著名な講師陣が、研修を取り仕切ってくれています。 研究所は、本学と同様に畜舎や圃場…

事務方力を磨く

10月、11月と本州の酪農場で現地検討会(バーンミーティング)をする機会が連続してありました。 バーンミーティングとは、単純な視察とは異なり、酪農場の経営や生産のデータを用意いただき、それを頭に入れた上で現地を訪問し、課題抽出と対策提示をするも…

サイロ収穫直後にビニルカバーが膨らんでパンパンになったとき、一体何が起こっているの?

バンカーサイロの一番牧草の収穫が真っ盛りです。 今年は突然のにわか雨が降ったり、春先の干ばつだったりで、例年と比べて大きく良いというわけではなさそうです。 さて、先日詰めた1番牧草のバンカーサイロで興味深い現象が起こりました。 詰め込んだ翌日…

気候変動と酪農

先週末、札幌で開催された酪農シンポジウムに参加してきました。 テーマは、気候変動と酪農現場のリスク管理でした。主催は雪印メグミルクの酪農総合研究所です。 気象予報士の講演では、北海道の年平均気温がこの100年で1.59℃の、日降水量70mm以上の豪雨の…

牧草の切断長問題

同僚とともに、大学のある江別市の酪農家を訪問しました。訪問の理由は、牧草サイレージの切断長や発酵品質について視察するためです。 牧草の切断長がなぜ問題になるかという前に、牧草収穫の流れをおさらいします。 牧草を収穫する方法には、次の2通りがあ…

アメリカ酪農学会報告その2 牛に草をたくさん与えると・・・

前回に続き、学会報告です。 今回のシンシナティで学会ですが、私以外にも、日本からの発表が数題ありました。 今日は、その中の一つ、全酪連のチームの発表を紹介します。 ここ最近、私も気になっている、哺乳から離乳後にかけての子牛に対する乾草の給与試…

作物を育てられない土で、ウシのエサを育てる話

私は、4年生対象に、乳用家畜飼養学実習を開講しています。 4年生は、卒業要件を満たしている学生が多く、履修者はあまり多くはありません。 人数が少ないので、フットワークの軽い実習ができるので、今回は、技師に学内圃場(飼料・牧草畑)を案内してもらう…

現場で役に立ってこその研究

今週は学会ウイーク。 今日まで熊本で、日本草地学会に参加していました。 熊本は、桜が満開です。今は、東京に向けて移動中です。 (羽田でアクシデント。滑走路に穴?!なまら遅れました。。。) さて、草地学会で、ひとつおもしろい発表がありました。 牧…

自給粗飼料の栄養価と飼料設計 ~料理を作る母の気持ち~

今日は技術的なお話です。 私たちの農場では、自給粗飼料を作っています。自給粗飼料というのは、牛のエサとしての、牧草やトウモロコシのことです。 牧草やトウモロコシは、畑から収穫し、切り刻み、コンクリートのサイロに詰め込みます。サイロに詰め込ま…