乳牛と酪農を科学する

乳牛と酪農を科学する

乳牛の栄養や酪農システムについて大学教授がつぶやきます

採食行動

ウシは長い繊維が嫌い?

今年の牛舎実験が終わりました。 卒論のまとめのため、連日連夜、学生たちはがんばって分析をすすめています。 そんな中で、PSPSというエサをふるい分けるためのアメリカ生まれのフルイセットでエサの大きさを分類した測定項目があります。 PSPSは、4段構成…

ルーメンアシドーシスと牛の行動について

先日のフランスでの国際学会で、ルーメンアシドーシス(ルーメン発酵による酸性化)と乳牛の行動について興味深い講演がありました。 演者はカナダの研究者で、私もしばしば研究のヒントをもらっているDeVries博士です。 彼は乳牛の採食行動についての権威で…

ストレスなく食を制するための行動学

今頃、予定通りなら、大学の牛舎で作業をしている時間帯。羽田空港で、今夜のフライトを待つ時間をつぶしています。 なぜなら、昨夜の台風で、予定していた便が欠航になったためです。 昨日は、虫の知らせで、何げなく空港に向かう途中の品川駅でANAアプリを…

飼料の物理的有効度を調べるには? ペンステートパーティクルセパレーター(PSPS)

今日は酪農の技術的な話です。 牛には、反芻するという、大切な仕事があります。反芻とは、一度食べたエサを吐き戻し、細かくなるまで再度咀嚼する活動です。 どれくらい細かくなるまで、反芻を繰り返すかというと、ヒツジでは約1mm、牛では数mmと考えられて…

科学的、合理的思考のすすめ:搾乳ロボット内での、濃厚飼料の給与法

ここ数日、立て続けに、北米で活躍する研究者による、酪農や研究についての考え方について学ぶ機会がありました。 一つは、先日もご紹介した、帯広のセミナーです。 今日は、マジメに、酪農の技術について触れたいと思います。 日本では、搾乳ロボットが、飛…

なくて七癖:ウシにも悪い癖がある?!

みなさんは身近な人で気になる癖はありますか? 話すときに出る「えー」みたいな口癖などは、人前でしゃべる機会の多い多い私のような稼業では注意すべき大切なポイントになります。 私の尊敬するラジオパーソナリティーの日高晤郎さんが、若手アナウンサー…

牛の採食行動:ウシは1日にどれくらい食べることに費やすのか

みなさん、おばんでした。 今日はようやく家庭菜園に堆肥を入れることができました。 ミミズたっぷりの堆肥を入れて畑を軽く耕しました。誰かさんの頭と同じ寂しくなった芝生には種を買ってきて追加播種しました。苗も買ってきたので、明日定植です。 朝は次…

牛の採食行動:歯の構造と草の食べ方

ようやく北海道も暖かくなってきました。 今日はこれから愛知県豊橋へ移動です。私は愛知県は名古屋しか行ったことがないので、三河方面に行けるとあって楽しみです。三河方面は酪農地帯なのかな。 ウシの咀嚼行動について考えよう 私のは最近ラジオ英会話を…