乳牛と酪農を科学する

乳牛と酪農を科学する

乳牛の栄養や酪農システムについて大学教授がつぶやきます

学び

決断の速さと難しさ

最近はオーディブルを使ってビジネス書を聴くのが通勤の日課になっています。 たまたまですが、京都を発祥とする大企業の経営者、創始者の自伝や経営論のような本を連続して聴きました。 京セラフィロソフィの稲盛さん、日本電産の永守さん、ワコールの塚本…

普及の本質は愛なり

酪農業界に身を置かない読者さんにとって、「普及」という言葉を聞いてどのような意味を思い起こすでしょうか? スマホの普及? 電気自動車の普及? 電子マネーの普及? 新しい物事が世の中に広まっていく、そんなイメージではないでしょうか? 酪農の現場に…

秋の十勝での学び

十勝に出張してきました。 帯広では、卒業して5年目のM君、この春卒業のK君の元気な顔を見ることができました。 二人とも酪農・畜産の分野で現場に出てなんぼの仕事に就いています。 一生懸命牛舎で糞洗いをし飼料の消化を調べ、共進会では牛の世話に汗を流…

第1回デーリィマネージメントセミナーを開催します

僕のルミノロジー研究室と、日頃からともに研究をしている獣医学類ハードヘルス学ユニットとの共催で、酪農セミナーを開催することになりました。 これら2つの研究室に共通するのは、研究を深めるという大学では当たり前のことに加え、学生たちに⽣産現場に…

酪農教育ファシリテーター研修を受けてきました

酪農教育ファームなるものがあります。 酪農家自らが、市民や、子供たちへの食育を通して、酪農や乳牛、ミルクの魅力を伝える活動です。 僕のように酪農家でなくても、この活動は可能です。 それが酪農教育ファシリテーターという資格になります。(もちろん…

人的資源をくっつける人間接着剤

先週の土曜日、週末ですが外部講師を招いての特別実習を開催しました。 今回お呼びしたのは、僕の酪農の師匠のお一人、Kさんです。また、スペシャルゲストとして、現役農業改良普及員のIさんとTさんも、休みを利用してプライベートで参加してくれました。 彼…

酪農現場の理論と実際のズレについて考えました:Webセミナー

1月末に、Webセミナーの講師をさせていただきました。 テーマは「飼料設計とウシのアウトプットのズレを考える」というものです。 前半は、ズレの生じる理論を僕なりに解説しました。 後半は、現場の最前線で活躍しているお二人の獣医師とともに、実際の酪農…

飼料設計ソフトから正しい回答をもらうためにすること

我が家のムスコ君、毎晩寝る前に明日の給食メニューを見るのが日課です。 「ヨッシャー、明日は大好きな○○だ~」とテンション上げてから床に就きます。 少ない給食費をやりくりして、僕たちが子どもの頃とは比べものにならないほど、美味しそうで、栄養のバ…

飼料設計ソフトから正しい回答をもらうためにすること

我が家のムスコ君、毎晩寝る前に明日の給食メニューを見るのが日課です。 「ヨッシャー、明日は大好きな○○だ~」とテンション上げてから床に就きます。 少ない給食費をやりくりして、僕たちが子どもの頃とは比べものにならないほど、美味しそうで、栄養のバ…

飼料設計ソフトから正しい回答をもらうためにすること

我が家のムスコ君、毎晩寝る前に明日の給食メニューを見るのが日課です。 「ヨッシャー、明日は大好きな○○だ~」とテンション上げてから床に就きます。 少ない給食費をやりくりして、僕たちが子どもの頃とは比べものにならないほど、美味しそうで、栄養のバ…

学びの楽しさ

この前帰宅すると、何やら裏紙に英語の文章がサラサラと書かれています。 カミサンに聞くと、リスニングで聞き取れているかどうかを練習しているとのことでした。 海外旅行に行くわけでも、英語を仕事にしているわけでもない、ただのオバサンのカミサンが高…

学びの楽しさ

この前帰宅すると、何やら裏紙に英語の文章がサラサラと書かれています。 カミサンに聞くと、リスニングで聞き取れているかどうかを練習しているとのことでした。 海外旅行に行くわけでも、英語を仕事にしているわけでもない、ただのオバサンのカミサンが高…

食えるウシと食えないウシ

ウシは満腹までエサを食べるとルーメン(第一胃)のある左側の腹がパンパンに張ります。丸いお腹になるというわけです。 一方で、腹が減ると、左側の腹がくぼんできます。肋骨と背骨(腰椎)が出っ張って、腹だけが落ちくぼむような見た目になります。 同じ…

コロナで一変した世の中、出張できないメリットも

ニューヨーク州のコーネル大学は、酪農の業界では有名です。 その名を日本の酪農業界にとどろかせたのは、CNCPSというルーメン内の栄養収支をモデル化したプログラムを開発したことによります。これが、NRC飼養標準の基礎となり、AMTSやNDSといったエサ設計…

学外に出てのコラボレーション研究

大学にいると、企業や酪農関連団体と一緒に研究する機会があります。 僕は、企業からの提案で大学内で試験をするというのは珍しくありませんが、他の研究機関とのコラボレーション研究は、それほど多い方ではありませんでした。 ですが、最近は少し方針転換…

対面での学び 内地型酪農視察と研究打合せ

今週は、少し長い出張でした。 コロナ騒動以来、初の津軽海峡超えです。 前半は群馬県の酪農場を視察し、後半は東京で研究打合せやJGAPの研修を受けてきました。 群馬の酪農視察のメインテーマは、内地型酪農の飼料給与法について学ぶことでした。地元で活躍…

まず行動、チャレンジしなけりゃ始まらない

親バカ記事になるかもしれませんが、小2のムスコの賞賛すべきできごと(珍事?)を紹介します。 例によって職場でヒルメシを食べていると、その弁当を作ったカミサンから電話がありました。 普段電話などかかってこないので、少し緊張して受けます。 電話口…

橋下徹さんと高学歴ニートの論戦がアツかった

先日、林修さんの番組で橋下徹さんと高学歴ニートの若者たちとのトークバトルがありました。 「マジメに働かなくてもいいべ」という若者たちに、橋本さんがアツく、持論を説くという構成でした。 ↓番組HPから、放送を見ることができました www.youtube.com …

猛烈インプットした先に現れたもの

私がブログを書くときは、テキストエディタを使います。ブログ用にテクストエディタを開くのがとても久しぶりのような気がします。 前回の更新が5/5なので、10日ぶりです。このブログを始めてから、最も長い空白期間ではないでしょうか。 私は5月の中旬まで…

搾乳ロボットセミナー:北米の最新情報

搾乳ロボットという機械が日の出の勢いで普及しています。これは日本に限らず、全世界的傾向です。 搾乳ロボット - Google 検索 通常、搾乳作業は人の手で行います。手搾りではありませんが、ミルカーとよばれる搾乳機器を牛の乳頭に装着する作業は人が行い…

理論と現場感覚のズレ

先日、酪農セミナーに参加してきました。 この時期は、農閑期でもあり、実習もないので、本学の農場技師とともに参加する機会が多くあります。 その時も牛舎の技師と一緒でした。 技師と参加したことで、興味深い経験をしました。 その日は、新進気鋭の外国…

受験勉強と卒論、ときに諦める勇気が大切

いよいよ、明日から高校入試の本番です。 私立高校の受験から、3月の公立高校の受験まで、我が家は最もピリピリした日々のスタートです。かたや大学生も卒論の締切も来週に迫ってきました。 入試も卒論も期日が決まっている(締切がある)という意味で、忘れ…

主語がない文章、グラフや表の読み方

卒論執筆も佳境に突入しました。 我が家の受験生もいよいよ大詰めです。 卒論や学生のレポート、受験生の息子との会話などを通して、作文力・読解力について感じることがあります。 作文力については、大きく二つのことを感じます。 一つ目に、学生、生徒は…

人生に大切なのは「努力」と「野心」

私の好きな作家のひとりに林真理子さんがいます。 人間のドロドロとしているけど、誰しもが持っている欲望を描いた作品が持ち味です。私の好みは、きれい事だけではなく、人の暗部を直視するような作家です。 さて、そんな林さんですが、今朝のNHKのニュース…

ルーメンアシドーシスについての講義を受けました

何度かブログで紹介しましたが、私は今期、獣医学類のF講師とカナダから留学してきているO教授との共同実験に取り組んでいます。 今日は、O教授から、私の研究室に在籍している3年生に講義をしてもらいました。 テーマは、O教授の自己紹介とルーメンアシドー…

コンサドーレ札幌最終戦 in 札幌ドーム、雑感

コンサドーレ札幌の最終戦を観戦してきました。 チーム創設当初からのファンを自認する私にとって、思いもよらなかった、J1での2位がかかった試合! 大いに盛り上がってシャトルバスでドームに向かいました。 ですが・・・バスを降りて、まずは大きく出鼻を…

大学教員の醍醐味 いつでも学べることのありがたさ

帯広に来ました。ウシのエサに関する研究グループの会議に参加するためです。 私は、そのグループのメンバーではないのですが、新しいエサの取り組みについての検証を依頼されました。そこで、研究室の3年生たちと、検証実験を行いました。その成果について…

成長を指摘されました

私には、今年限定で一緒に仕事をしているO先生がいます。 彼は、7年前にも、いっとき仕事でご一緒しました。 先日、その彼と食事としていて、こんなことを言われました。 「泉さんは7年前と比べて、今年は自信があるように見える。成長したことが分かる」 7…

居場所がないと感じて苦しむ、二つの場合

この週末、二つのドキュメンタリー番組を観ました。 全く境遇は違いますが、どちらも社会に居場所がないと感じて、苦しむ人たちを描いた番組でした。 一つは、中国残留孤児3世を取り上げた番組。 一つは、不妊治療で子宮移植の可能性にかける家族の物語。 前…

藪の中:見方を変えると事実が別の事実に置き換わる

北海道を襲った大地震と、それにともなう大停電。海外出張中だった私は、一切の被害を経験せず、ほぼ平常時に戻りつつあるときに帰国しました。 人生の中でも、そう経験のない大災害なので、家族や職場の同僚に、あれこれ聴いて回りました。 その時、興味深…