乳牛と酪農を科学する

乳牛と酪農を科学する

乳牛の栄養や酪農システムについて大学教授がつぶやきます

飼料設計ソフトから正しい回答をもらうためにすること

我が家のムスコ君、毎晩寝る前に明日の給食メニューを見るのが日課です。

「ヨッシャー、明日は大好きな○○だ~」とテンション上げてから床に就きます。

 

少ない給食費をやりくりして、僕たちが子どもの頃とは比べものにならないほど、美味しそうで、栄養のバランスがとれていて、多様なメニューを考えてくれる管理栄養士さんには、頭が下がります。

 

1ヵ月、同じメニューにならないように、給食の栄養士さんはPCソフトウェアで計算しているのでしょうか。

 

酪農経営でも同様で、乳牛のエサメニューを考える上で、飼料設計ソフトは欠かせないアイテムです。

最近、立て続けに飼料設計ソフトについて学ぶ機会がありました(一つは、業界では著名なA先生に付きっきりでレクチャーを受けるという幸せな時間でした)。

 

そこで、自分が盲点だったことがあります。

それは、そのエサを与える乳牛の状態をしっかり入力するということです(当たり前ですね(^^;))。


いくつかの項目について、何年も軽視していたものがあったことに気がつき、冷や汗がにじみました(とはいえ、気づきに遅すぎることはありません。学びの時間を持てて感謝です)。

 

給食も、児童の学年、つまり体格や栄養の必要量に応じて綿密にメニューが計算されていることでしょう。

単に、子どもが喜びそうなメニューになっているだけでなく、その内側にきっちりと必要な栄養がまかなえるように組まれているはずです。

 

緻密な栄養設計をするには、子どもの情報も正確に入れなければいけません。

発育期にある児童ですから、身体の維持分に加えて、日々の成長分の栄養もしっかり組み込む必要があります。

おまけに学年によって、その量は変わってくるはずです。

飼料設計ソフトから正しい回答を得るには、前提条件となる、その食事(エサ)を与える対象について正確に知る必要があるというわけです。

 

ウシもヒトも同じ。

栄養学は奥が深く、だからこそ、おもしろいです。

 

↓トド肉とヒグマ肉を出してくれる店にて

f:id:dairycow2017:20211005090604j:plain