乳牛と酪農を科学する

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乳牛と酪農を科学する

乳牛の栄養や酪農システムについて大学教授がつぶやきます

牛の採食行動:歯の構造と草の食べ方

ようやく北海道も暖かくなってきました。


今日はこれから愛知県豊橋へ移動です。
私は愛知県は名古屋しか行ったことがないので、三河方面に行けるとあって楽しみです。
三河方面は酪農地帯なのかな。

 

ウシの咀嚼行動について考えよう

 私のは最近ラジオ英会話を聞くことにはまっています。


今日聞いたフレーズに次のような比喩を使ったおもしろいフレーズがありました。英語っぽい表現で楽しいです。

 

You don't biting off more than you can chew.

 

欲張りすぎて無理をする、自分の手に余るほどのことに背伸びして取り組み、オーバーワークになってしまうという意味です。
肉などを食べていて大きすぎる塊を口に入れて噛めない、みたいな表現です。※私はテキストなしで、聞くだけなので、細かいところ間違いがあるかもしれません。

 

bite offは噛み切る
chewは咀嚼する
more than you can chewは、あなたが咀嚼できるよりも大きいもの

 

この文は否定文なので、「咀嚼できないほど大きなものを噛み切れない」→「あなたの手に余るんじゃない」という意味でしょうか。

 

ラジオでは、父ちゃんが張り切ってあまりに広い家庭菜園に取り組もうとし、奥さんがあんた大丈夫なの??と冷ややかに見ているという場面でした。

これを聞いていて、今日はウシの咀嚼について紹介しようと思いつきました。我ながら単純(^^)

 

まずはウシの歯の構造から解説します。


ウシには前歯がありません?!

 

知っている方からすれば当然でしょうが、ウシやヒツジには上の前歯がありません。下の前歯はちゃんとあります。

上の前歯のある部分は堅い平らな歯ぐきになっています。
まるで、まな板のような感じでしょうか。

 

彼らは草を食べますが、下の前歯が包丁で、上の歯ぐきがまな板に当たり、これらを使って草を噛み切るのです。

包丁とまな板の上下関係が私たちのイメージと逆になりますね。

 

さらに、おもしろいことに、前歯と奥歯の間の歯もありません。犬歯というやつです。奥歯だけは上下揃っているのですが、前歯は下だけ、頬の当たりの犬歯は上下ともにない、という我々ヒトとは大きく異なる形状をしています。

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写真の出典はこちら↓

www.jda.or.jp

 

この前歯と奥歯の間の空間ですが、これが役に立つんです。


どんなときに役に立つかというと、薬を飲ませるときです。


嫌がるウシを抑えて口を開けなくてはいけないのですが、この部分に歯がないので指を入れて口をこじ開けたり、液体の薬を入れた瓶を差し込んだりできます。

 

ウシの食べ方

 

牛は草を食べるときは、舌を草に絡めて、前歯と歯ぐきで噛み切って草を口の中に取り込みます。

 

奥歯で咀嚼し、舌で草を丸めて、コンビニの手巻き寿司ありますよね、あれくらいの形に丸めて飲み込みます。長かった草も数センチの長さにまで噛み切られます。この草の塊には唾液がたっぷりと含まれて、第一胃(ルーメン)の中に滑り込みます。

 

これが牛の採食の様子です。

次は1日単位の採食行動について見てみましょう。