乳牛と酪農を科学する

乳牛と酪農を科学する

乳牛の栄養や酪農システムについて大学教授がつぶやきます

大学教員、遠隔授業対応にアセをかく

ずいぶん前になりますが、4月の中旬だったでしょうか、ラジオで日本の大学のコロナ対応に対してコメンテーターが語っていました。

 

当時、コロナによるロックダウンで、大学では全国的に授業開始ができないでいました。

 

同じ時、カナダの大学に勤める友人からは、コロナ騒ぎになってすぐに講義がRemote Delivery、すなわち遠隔授業に切り替わっていることを聞きました。
カナダと比べると、日本は相当遅れていたことになります。

 

コメンテーターは、外国の事例には触れませんでしたが、一部の先進的な大学を除き、遠隔講義開始の目処が立っていないことを批判的に語っていました。

 

そうです、本学も先の見えない中、検討を重ね対応してきましたが、政府や道の緊急事態宣言が出されるなど、右往左往する日々が過ぎていきました。

大学としての方針が決まり、講義が遠隔でスタートしたのは5月14日からです。(批判されても仕方ないのかな・・)

 

遠隔講義、やってみてわかりましたが、慣れるまではむちゃくちゃ大変でした(-_-)

 

遠隔授業の準備は次のような手順です


① 講義スライドをパワーポイントで作成
② 講義スライドをスライドショーしながら、音声と自分の顔を収録
③ ②で作った映像ファイルを大学のサーバーシステムにアップロード
④ オンラインで回答・提出できるような確認テストやレポートをサーバー上に設置
⑤ 学生がダウンロードできるように、配付資料をサーバーにアップロード
⑥ 学生が質問できる掲示板システムをサーバーに設置
⑦ ここまでで、1回分の講義の教材になります。前期の講義は15回(15週)実施されるので、①~⑥を15回繰り返す

といった流れになります。

 

①については、学生が集合して教室で実施やる対面授業でも使うので、作成の手間はほとんど変わりません。

ですが、僕は授業では黒板への板書も使って解説していたので、より詳しい資料づくりとなり、かなりの改訂が必要でした。

 

その後の②~⑥の手順は、対面講義ではほぼ不要な手順になります。
慣れない作業、慣れても複雑な作業に時間ばかりが過ぎていきます。

(牛のエサやりなら簡単にできるのですけどね~)

 

②~⑥の作業は通常授業では不要の作業です。

サーバー操作法の学内講習会参加なども含めると、90分の講義資料準備にどれだけの時間を費やしたかわかりません。
(単に僕がとろくさいだけかもしれませんが(-_-))

 

今日は土曜日ですが、2回分の講義を自宅で収録しました。

 

学生の学びを保証するために、大学教員も精一杯、知恵を絞って対応しています。

 

ある先輩の獣医師から次のようないたわりのメールをもらいました。

*****
しかし、今回のコロナで先生方も大変ですね。
私らが学生の頃の先生では、到底対応不可だったでしょうね(笑)
*****

 

たしかに僕らの頃も、学生が寝ていようが、漫画読んでいようが(僕の時はケータイはまだ普及していませんでした)、ひたすら学生たちに背を向けて授業ノートを黒板に書き写し続ける教官が大勢いましたよね(^^;)

 

どこの大学も大変な苦労をしながら、教育を提供しようと努力を続けています。

早く、緊急事態が明けないかな。

 

↓休校なので、子供たちと「生活の授業」でスプラウトを育てています

ホームセンターで買ってきたブロッコリーと大根の種をまきました。左側のブロッコリー、タネがちょっぴりしか入っていませんでした。

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