乳牛と酪農を科学する

乳牛と酪農を科学する

乳牛の栄養や酪農システムについて大学教授がつぶやきます

小中高の一斉休校と酪農業界の深い関係

昨日から、我が家の次男、小学校が休みになりました。

次男は大喜びですが、妻はゲンナリです。


次男は、まだ1年生なので、1人で日中過ごすことは難しいです。

共働きの家庭では、たいそうお困りのことと察します。

 

さて、休校で困るのは家庭だけではありません。

酪農業界も大混乱の様子です。

 

休校になると、当然ながら学校給食がなくなります。
それは、学校給食で提供される、牛乳が不要になることを意味します。

全国一斉で休校となると、不要となる給食用牛乳の量も膨大です。

1クラス30人として、牛乳200ml×30人=6リットルとなります。この数かける、1学年のクラス数、それかける学年数、それかける全国の学校数ですから、大変な数字になります。
ただでさえ、冬場は牛乳の需要が多くない時期です。

 

給食でも、パンやおかずであれば、作らなければ良いだけですが、生きた牛が生産する牛乳は製造をストップなどとはいきません。

 

毎日毎日、どのような事態になっても、牛の乳房から乳を搾り出してやらなければいけません。

生産された牛乳の行き場がなくなると、最悪のケースでは、牛乳廃棄という可能性も出てきます。
あるいは、牛乳の生産量を減らすために、牛が牧場から肉畜市場へ売られていくことになるかもしれません。

せっかく搾った牛乳を捨てたり、まだまだ元気な牛を出荷してしまうことくらい悲しく、虚しいことはありません。

 

子どもの栄養を考えても、長期間牛乳を摂取しないことは好ましくありません。
ここは、ぜひ、給食で飲めなくなった分の牛乳を家庭で消費してはどうでしょうか。

 

牛は機械ではないので、いきなり乳を出すなと言ってもそうはいきません。

家庭に待機する子供たちが牛乳を飲むことで、乳業メーカー、酪農家、メンコイ牛たち、多くの存在が救われることになります。

子どもの健康な発育と酪農業界を応援する意味でも、子供たちの休校期間は牛乳をプラスもう1杯飲みましょう。

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